後始末な人生も悪くないよねって思った 6
ズギューン
ダメだ、完全にやられた…
「ば、馬鹿野郎!お前、何を根拠にそんなこと言って…」
「こんな身体だから男子の視線くらいわかるよ!それにどんなこと考えてるかだって…」
「おっ、俺は…」
「凌ちゃんだったら、私、イイよ。何されても…」
…やめなさいっ!それは今の俺には効きすぎてダメなんだ!
「と、とにかく。今は飯食うぞ!話はそれからだ!」
「うん♪冷めちゃうもんね、凌ちゃんの手料理。楽しみにしてたのに忘れるとこだったよ」
まったく、コイツは…。
からかはれているならまだいい…
でも本気だったら?
いやいやそんなことはあるまい…
女子高生にとっては20代半ばの俺なんてもうおじさんと言われても可笑しくない年齢な訳だし…、
それにいくら無視をされていたとしても、唯がその気になれば男子なんて選び放題の筈だ、、、
しかも唯はどうみても処女…
俺が初めての男になるなんて、そんな責任取れる訳がないのだ、、
「これ食ったら学校に戻るぞ…、、いいな」
飯食う為に帰って来たに過ぎないんだから、文句はない筈だ。
「んー、美味しい〜」
ありゃ、聞いちゃいないよ…
まあ手料理を褒めてもらえるのは嬉しいけど、コロコロ表情の変わるコイツにはついていけない気がするなぁ。
「んっ、あと凌ちゃんさ」
「おう、何だ」
「続きは明日以降にする。今日は私もお家に帰りたいな」
「そうか。じゃあ食って片付けしたら送ってってやろうか」
「うん、ありがと」
助かった…という思いと共に、ちょっと残念でもあるが、、、
まぁ俺も頭を冷やす必要があるな。
少なくとも今後は勃起したとこを見られるなんてことは、絶対にあってはいけないしな、、
「ご馳走さまぁ☆;、めちゃ美味しかった♡;」
ティシュで口を拭う唯…
艶を帯びた唇が何とも女っぽい…
「だろぉ?!…前もって分かっていたら時間掛けて煮込んでおけたんだけどね、、」
具材はちょっと固かったよな…
「充分美味しかったよぉ、凌ちんがこんな料理上手いなんて意外だったなぁ」
ニッコリ微笑む唯…
こんな顔して微笑まれると、どんな男だって何日も煮込まれた具材みたいに、デロんデロんにとろけてしまうに違いない…
これ以上唯の顔に見惚れているとまた下半身の反応を指摘されてしまいそうなので、背を向けて後片付けに集中することにした。
「凌ちゃんはとてもいいパパになると思うよ」
「よせよ。相手すらいないんだぞ?」
「じゃあ私が凌ちゃんのママに立候補します!」
だからそういう発言は慎みなさいと言ってるのに。
まあ、それが嬉しい気持ちもあるんだけどね…
「もうすぐ終わるから出れるように準備しとけよ」
「はーい」
唯が一人暮らしするアパートは学校から近い場所にある。来た道を戻っていくような感覚だ。