PiPi's World 投稿小説

後始末な人生も悪くないよねって思った
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 18
 20
の最後へ

後始末な人生も悪くないよねって思った 20

プリっとした筋肉質なお尻を黙って見送る…
いいお尻ね…って言いたかったけど、もう余計なことは言えない(汗

身体を洗い終わり、湯舟に浸かる…
バタンと玄関の閉まる音…
帰っちゃったんだ…と、悲しくなって…湯の中に顔を思いっきり漬ける…

「冗談だよ〜」って顔出してくれたらまだよかったんだけど、凌ちゃんはそんなこともせず本当に帰って行ってしまった。
気の利いた書置きくらい残してくれたら嬉しかったんだけど、そんなのもなくて。

まあそれが凌ちゃんの凌ちゃんらしいところでもあるんだけどね…

お風呂から出たらすぐにベッドに入ったけど、なかなか眠れなかった…




次の日も兄たちの残した「後始末」のために学校へ。
一人トボトボと学校に通い、誰とも会話なんてすることもなくいつもの部屋に。
今日はちょっと眠い。

うーん、今日はうちのチームの中継じゃないけど―っ

『一二塁間痛烈な当たり、抜ける!ライト前ヒット。グリエルは三塁でストップ、スト……あーっと、ライトのアデルがボールを後逸している―っ!それを見てグリエルがホームイン、そしてマイヤーズも帰ってきた!打ったマコーミックはセカンド到達、これで8対2、エンゼルスは今日も序盤に大量失点です!』

あ、アストロズ強ええなぁ…

『これは今中さん…』
『うーん、最近のエンゼルスの流れの悪さを象徴するようなプレーですよねぇ。せっかく初回に2者連続ホームランで先制したわけですけど…』

こうやって野球を観ている時だけ現実を忘れられる。
せめて凌ちゃんが少しでも野球に興味があったら一緒に観られるのに…と、残念にも思う。

思い出してみると去年のシーズンは1人じゃなかった。
うちのリビングでお兄ちゃんと凌ちゃんの弟でもある、お兄ちゃんたち親友の裕二さんと一緒に観たものだった。

当時は裕二さんが凌ちゃんの弟とはもちろん知らなかったし、凌ちゃんともあんまり似てないと思うんだよなぁ。
野球部でレギュラー張ってた人もいたからいろんな話が聞けて面白かったものだ。
私にとっては優しいお兄さんたちだったけど、まさか悪いことに手染めまくってたとは、全く知らなかったのだ。


『この打球はレフト―――っ、伸びて、入りました―ッ!!マルドナドのホームラン。アストロズさらに追加点』

うわぅ。

ガラガラッ(ドアの音)

ん、凌ちゃんかな?ならまたお説教か―――

「坂倉さん、いつもありがとうございます」
「んっ!?」

現れたのはキレーなお姉さんである。
この人とは、拾われてこの高校に入学して以来、何度か話をしたことがある。凌ちゃん以外で私に好意的に接してくれる人。

速水キサラさん。
兄たちの事件の責任を取って退任したお父様に代わって学校の理事長になった人だ。
キサラさんのお父様は、退任した直後に倒れ、そのまま亡くなってしまったと聞いた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す