学校裏サイト 4
「一つはサイトをぶっ壊す前に一稼ぎしたいからサヤちゃんに手伝ってもらいたいの。あのサイト、いまはぐんゆうかっきょ?な状態で実は私のランクも高くなくてアカウントを見せてもサヤちゃんの思うような証拠は上がらないわ。だから動画を上げてランクを上げないと協力しても無意味なの。
そして、もう一つは、サヤちゃん。貴女、私の彼女になって欲しいんだ」
「え?えっ?えっ?」
突然の申し出にサヤは混乱した。
「手伝うって・・・それに彼女ってお前は女だろ?」
「いいの。私は男の子も女の子も好きなの。男のセフレは沢山いるんだけど私こんなんだから女の友達あんまり居ないんだよね。それにサヤちゃんとってもかっこいいから」
サヤの混乱は収まらない。
「じゃあ、サヤちゃん。今日の夜に私はある場所で動画の撮影をするの。それを見学してから決めるのはどう?もちろん貴女は隠れてね」
そういってサチは可愛らしいデザインのメモ用紙にサラサラと住所を書いてサヤに渡した。
「あの堅物生徒会長には絶対いっちゃ駄目だよ。そしたらこの約束は全部無しだからね」
そういってサチは立ち去った。
サヤはその姿を呆然と見ているしかなかった。
※※※
「言われた通り来たけど・・・」
放課後、夜の6時頃。
サヤはサチに言われた住所に来ていた。
サヤは先程のサチの申し出、動画投稿の手伝いは正直やるつもりはなかったが、告白をされ混乱を極めていたサヤは冷静な判断ができなかった。
なので、好奇心に負けて見学という申し出を受けてしまったのだ。
しかし、サヤは別の意味でまた困惑した。
言われて来た住所は、結構広めの一軒家だったが、表札の名前は坂上ではなかった。
サヤが不思議に思っていると後ろから声がかけられた。
「ヤッホー!サヤちゃん。待たせちゃった?」
「お、おう。こんばんは」
サチである。
今は私服に着替えており、よりギャルらしさが増したサチはサヤの腕を掴むとグイグイと入り口に引っ張っていった。
「お、おい!これだれの家だよ?」
「んー?セフレの人だよー。お家の一画を撮影用に貸してくれてるのー。ヤリ部屋って奴?この人は学校裏サイトの会員じゃないけど、撮影に協力してくれてるんだ」
サヤは目眩がするようだった。
サヤの今まで築いてきた価値観がまるで通用しない言動に、言葉は理解できるのに、その内容を理解するのに脳が拒否するようだった。
だが、同時にサヤの心臓はドックンドックンと高鳴り、サチから目が離せなくなっていた。
「じゃあサヤちゃんはこの押し入れに隠れてて!トイレは済ませた?」
「押入れって、見学は?」
「あ、そうだったね。エイッ」
そういってサチは押入れにボールペンを突き刺して穴を開けた。
サヤはもう突っ込めなかった。
※※※