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憧れの先輩3人組は…
官能リレー小説 - 学園物

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憧れの先輩3人組は… 80

「慶太さん、お久しぶりです」
「はあ、それ程間は空いてない気もしますが」
「まあ、そこはお気になさらず」
「で、来瞳さんでしたっけ?そちらは分かりますけど佳奈さんは何故?」
「来瞳の身元証明と監督に送迎といったところでしょうか」
「そうですか、お疲れ様です」
「いえ、個人的感情も含めての事ですからお気になさらず」
「個人的?」
「身元証明はともかくとして、送迎は本人に車で来させれば良い話ですし、監督は万が一彼女が何かやらかしたらと気になりましたので」
「え?橘家のメイドなのに問題児か何かで?」
「いいえ、問題を起こす可能性の高い者を慶太さんの所へ派遣出来る筈がありません」
「なら何故?」
「先程も申し上げましたが、万が一何かやらかして慶太さんとお嬢様との関係がおかしくなると非常に困るからです。下手をすると橘家が困る事になる事さえ有り得ます」
「は?橘家が困る?」
「先程問題児という言葉が出ましたが、英里紗お嬢様こそが正に橘家の問題児です。我儘で奔放で他所様と問題を起こすなど珍しくもありません。薬物等の違法行為こそありませんでしたが、その、何と言いますか遊び方も、宜しくなく悩みの種でした」
「…………」
「ところが最近になって突然大人しくなられたんです。私も不思議だったのですが、先日慶太さんとお会いした時に初めてその理由を知りました。お嬢様が落ち着く気になったと聞いた時私は偽物発言をしましたが、アレは冗談とか、からかったとかではなく大真面目に偽物を疑ったんです。それ程迄に驚愕しました」
「……あれって嫌味とか皮肉とかじゃなかったんですか」
「ええ、言葉を飾らずに言わせてもらえば、
『まさかこの少年1人の為にこの我儘娘が大人しくなるですって?!冗談でしょう?!』
というのが本音でしたよ」
「そんなにですか」
「あの惚気ぶりやこの子に何かあったら発言。更に環菜さんと結花さんが平然と追随した事に私は言葉を失いましたよ。
『な、何なのこの子?!どんな魔法使ったのよ?!』
って叫びたかったですよ」
「は、ははは……」
「英里紗お嬢様が落ち着かれた事で会長も大層お喜びになられました」
「あの、会長さんって英里紗さんのお爺様ですよね?僕の事知ってるんですか?」
「勿論です。お嬢様からも直接お話を聞いておられますし。ああ、ご心配無く。会長は慶太さんの事を高く買っておられますから」
「へ?何でですか?」
「あのお嬢様を虜にして大人しくさせるなんて偉業を成し遂げたからです」
「いや、ですがその……僕は英里紗さんお1人だけでなく結花さんと環菜さんともですね……」
「3股程度の事は問題ありません。お嬢様を騙しているならまだしもお嬢様達から始まっての事ですし。会長もそれくらい男の甲斐性だと笑っておられました」
「そ、そうですか」
「そういう事でして、慶太さんがお嬢様と破局されますとお嬢様がどんな暴走を引き起こすか分かったものではありませんから」
「春木慶太という猛獣使いに飼い慣らしておいてもらいたいってところですか」
「失礼ですがそういう事です」

佳奈さんは淡々と説明してくれた。
淡々とした説明の中にも、とても聞き捨てならないフレーズを聞いたような気もするが、それだけ英里紗さんという人は僕と出会う前はやりたい放題なお嬢様で評判もよろしくなかったということなのだろう。
…責任重大じゃないか。
まあ環菜さんと結花さんとの関係に寛大なのは少しホッとするけれど。

「英里紗さんに、きょうだいはいるんですか?」
「いえ、それが、一人っ子でして、会長の孫にあたる子供も今のところお嬢様一人だけです」

「だから会長さんも英里紗さんに甘いんですね。初孫にして現状唯一の孫だから」
「そうですね。流石の会長も孫娘には形無しな物で思う所は有っても本人を目の前にするとつい甘さが出てしまうそうです」
「会長がそれじゃ周りも止められないと……」
「ですね。それこそ御友人の環菜さんと結花さんくらいですよ、お嬢様にまともに反抗出来るのは」
「あの、御両親は?」
「……まあ、色々有りまして」
「……そうですか」
「兎に角、お嬢様の無茶苦茶を防ぐには慶太さんが頼りです」
「いや、今でも無茶苦茶してませんか?先日のリゾート施設とかこのマンションとか学校の事とか」
「先の施設や此処は元々橘グループの所有物でしたから、さしたる問題は有りませんし、学校の事と言うと先日の体育教師の事ですか?元々宜しくない教師だったそうで、まあ私情が篭っているとは言え一応世の為、正義の為と言えなくもない事ですから。生徒さん方も喜んでいるそうですし」
「強権を発動するにしても、まだマシな使い方してるから良いと?」
「ええ、無関係な方々にはさして御迷惑はかけておられませんから」

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