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憧れの先輩3人組は…
官能リレー小説 - 学園物

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憧れの先輩3人組は… 58

学校生活ではやはり3人共“表立っての”接触は無かった。時折視線を感じる事は有ったけれど声を掛けられる事は無かった。その代わり放課後に携帯での通話やメールは頻繁に行なわれる事になった。特に結花さんは毎日必ず電話を掛けてきたし、他の2人も通話かメールのやり取りを欠かす事は無かった。その気になれば何処かで待ち合わせて若干の秘密の逢瀬は出来るだろうけど、若干では収まらずいつか関係が発覚するのは目に見えているので3人は自重しているらしい。

普段の僕はクラスでも目立たないその他大勢のような扱いだ。別にいじめられているわけでもないし、悪いことにも加担しているわけでもない。極々普通の高校生男子なのだ。
ただ体格なんかは一般平均よりも若干劣る。運動も苦手だ。結花さんにテニスを教えてもらった時に感じたことだが、僕は3人よりも劣るかもしれない。もっともあの3人ならそんなことも気にはしないだろうが…

「春木、いつものようにチンタラしやがって、今度やったらぶっ飛ばすぞ!」

体育教師の吉永。
一生懸命にやっているのに僕がたるんでると思い込んでキツく当たってくる。一番苦手な存在だ。今日も理不尽なことで怒られた。正直体育の授業は憂鬱である。

「あとで生徒指導室に来い」

授業が終わりそう言って立ち去る吉永、ふと校舎の方を見ると2階の教室から結花さんと英里紗さんがこちらを見ていた。

遠目だからハッキリとは断言出来ないけど、怖い顔をしてる様に見えた、というか感じた。
やがて、僕が見ている事に気付いたのか2人共表情が穏やかになった。
2人の笑顔で若干持ち直した僕は着替えて生徒指導室に向かうのだった。

足取り重く生徒指導室に向かい扉を開けるとそこには吉永と校長先生(及び2人程先生)がいた。
「吉永先生、ちょっと来たまえ」
「えっと、校長?私はこれからそこの軟弱者をですね」
「良いから来いと言っているだろうが!」
「は、はい」
普段聞かない校長の語気の強さにビビる吉永。
「あ、ああ、それから春木君。君は戻って宜しいですよ」
「え?ですが……」
「良いから戻りなさい」
「は、はい」
よく分からないがありがたい。
僕は不思議に思いつつ教室に戻った。あまりに早く帰ってきたのでクラスメイトから、
どうした?何があった?と聞かれたけど吉永が校長に連れて行かれたとしか答えようが無い。不人気の吉永なのでクラス全体が理由はよく分からないものの「吉永ざまぁ」的な雰囲気に包まれるのだった。

その日の授業が終わった。
部活もやっていないし特に居残る理由もない僕は帰り支度をしてさっさと教室を出て靴箱まで向かう。

「慶太くんっ」
「ああ、環菜さん…」
いつも明るく朗らかな環菜さん。遠巻きに見てるだけだが、環菜さんはお友達がとても多いように感じる。ひとりでいるのがちょっと不思議。

「安心したまえ、慶太くんを痛い目には遭わせない」
「ああ、ご存知でしたか」
どうして知ってるのか、という質問は野暮だろう。
「吉永、どうなったんですかね?」
「慶太くんは特に気にする必要はないんじゃないかな?とりあえず来週からは体育のセンセは変わるだろうね!」

「そ、そこまでですか?」
正直やり過ぎな気もするなあ。やる気は兎も角として体育の授業成績が宜しくないのは事実だし。
「なーに、気にする事は無い。元々評判の悪い男だったし、セクハラじみた事もやってた奴だからね」
「そんな事を……」
「流石に今のご時世、お触りとかは無かった様だけど発言がね。私もムカつく事言われた事が有ったしね」
両手で軽く自分の胸に触れる環菜さん。多分彼女の爆乳に関して失礼な発言があったんだろう。
「まあ君は君らしく、これからも品行方正に、清く正しく生きたまえ。まあ、でも……」
環菜さんは一旦区切り、声を少し小さくして言う。
「私達の間では遠慮無く欲望の赴くままに鬼畜外道になってくれて構わないよ」
そう言って環菜さんは振り返り、去っていった。

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