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駆け抜ける、青春
官能リレー小説 - 学園物

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駆け抜ける、青春 8

そこであっと愛未は声を上げてしまった。
そう、前川もオリンピックと言うステージに立てず勝負すら出来なかった過去があったのだ。
それがとれだけ無念だったんだろうか・・・
だから自分に休めと言ったのだろう。
思わず涙が溢れてしまった愛未に、奈緒美は微笑むだけで何も言わなかった。

そして温泉に着いて奈緒美と共に入る。
今の奈緒美は元アスリートらしい体型ではない。
無論2人の子供を生んでいるのもあるが、家系的に豊満系らしく今では爆乳巨尻の体型である。
無論運動はしてるから腹回りは多少引き締まってはいるが、完全に女の身体である。

愛未はと言うと、うっすらと筋肉が浮き上がる程脂肪を削ったアスリート体型。
ただどれだけ脂肪を削っても胸周りが豊かなのが本人にとっては悩みではある。

「鍛えたいい身体・・・でも身体に余裕が無いわ」

湯に浸かりながらそう言う奈緒美が愛未の両肩を揉む。
揉み方が上手くて心地よい。
お湯の暖かさもあって、肩がほぐれて行く感じがあった。

「どう?普段からあまり食べてない感じがするわね」
「うーん…太っちゃったら意味がないって…」
「食べることもトレーニングの一環だよ」

愛未はとにかく動いていないと身体がうずうずするタイプ。
学校と家の往復もランニング。昼休みにもランニング。部活が終わって帰宅してからでも走り込む。
人生のほとんどを陸上競技に費やしてきたと言っても過言ではない。
愛未の両親も元陸上競技の選手であり、前川夫妻もそれはよく知っていた。

その陸上界のサラブレッドと言える愛未。
奈緒美は前川の愛未に対する第一印象が『危うい』と言ったのを覚えている。
練習の仕方から身体の作り方まで、愛未には余裕と言うものがないのだ。
奈緒美が触った感じも女の子らしくなくゴツゴツ感があったし、肩のこり具合も考えられない程だった。
要はギリギリまで鍛え過ぎて、何かあれば怪我しかねないように前川も感じたし、奈緒美も愛未に触れてみて理解した。

そしてもう一つ・・・
これは奈緒美が女であり、調教済みのメスだから理解できた事なのかもしれない事がある。
愛未は相当性欲が強いと見えたのだ。

トップアスリートは皆基本的に性欲が強い。
一般人とは考えがつかない程、常に性に飢えているのだ。
だから愛未が強くても何らおかしくないし、奈緒美だってかなり強かった。
だが、愛未から感じるのはそれ以上であり、これだけ女らしくなく鍛え上げながらも、発情したメスの香りが隠せないぐらいなのだ。

「身体が硬すぎるから、取ってる部屋でマッサージしてあげるわ」

その性欲の強さも彼女のバランスを崩してる要因かもしれない。
奈緒美はマッサージで愛未の身体をほぐしながら、その辺りの原因を探るつもりであった。

「そこまでされなくても・・・」
「これも練習・・・筋肉が硬すぎるのも問題よ」

前川流にまだ戸惑いがある愛未だが、奈緒美はやや強引に言い返す。
前川からは泊まってゆっくりしておけと言われているし、千夏が居れば部員も前川もお任せできる。
前川が愛未を評して『本来持つべき輝きが損なわれている』と残念そうに言っていた思いを共有する奈緒美としては、何とか彼女にもっと輝きを放つ走りをして欲しいと思っていたのだ。

その宣言通り風呂から上がり、奈緒美は愛未を布団にうつ伏せに寝かせマッサージをしていく。
これは前川の所に来てから覚えたもので、独自に勉強してきたものだ。
的確で上手いと前川も太鼓判を押す奈緒美のマッサージに、愛未から心地良さそうな吐息が漏れる。
まずマッサージされた肩、ついていた重りが取れたような爽快感があった。
そこから全身に移っていく。

いい選手になりたいならとにかく走る、走って走って走り込むというのを徹底してきた愛未。その反面身体のケアは十分にやってきたとは言えなかった。

奈緒美のマッサージは肩から背中へ、そして腰に及ぶ。

「全体的に硬すぎるのね、いつ大怪我してもおかしくなかったかも」
奈緒美の言葉に愛未は何も言えなかった。

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