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駆け抜ける、青春
官能リレー小説 - 学園物

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駆け抜ける、青春 6

そんな奈緒美の頭を愛おしげに撫でる前川。
奈緒美は自分が調教済み肉便器の自覚はある。
だから前川の家政婦になった時も性欲処理があっても受け入れるつもりでいた。
勿論性欲処理の肉便器として扱われても、他人に調教された肉便器だがら当たり前だと思っていたが、最初に前川とセックスしてから予想外に優しくされて戸惑った覚えがある。

聞いてみれば、前川もやはり一流アスリートらしく性欲が強くて精力も無尽蔵。
そんな男に本気で愛されてしまうと、普通の女に耐えれる訳が無い。
彼女ができてセックスに至ると、その限界が無い精力に彼女がギブアップ。
逃げるように別れてしまうのを繰り返していたらしい。
だから調教済み故にある程度満足するまでセックスできた奈緒美の存在は、前川にとって有難い以外の何者でもなく、そんな存在だから調教済みとか子持ちとか気にならなかった訳だ。

最初は家政婦として、性処理担当として前川に仕えていた奈緒美だが、前川の必要以上の優しさに触れ、2人の間に愛情が芽生えていったのだ。奈緒美はその中で前川の子供が欲しいと思うようになり、その結果がもうすぐ1歳になる次女の愛奈である。


「いいぞー、悠奈、速い速い」
「さすが先生のお子さんだけあってセンスあるんじゃない?」
長女の悠奈は陸上部の1年生を遊び相手に楽しんでいて、また1年生たちのいい癒しでもある。

悠奈が岩間の子だと言う事は前川や関係者しか知らない。
だが、幸い母親似で前川が『長女』として可愛がっているから、誰も前川の子だと疑っていない。
前川に言わせれば、奈緒美が調教済みなのも悠奈が他人の子なのも小さい事らしい。
そんな底抜けの鷹揚さも奈緒美が惚れ、千夏が慕う所であった。


不祥事を起こしたせいで陸上部が復活しても様々な制限がかかっている。
特に理事会の一部から陸上部復活に反対する者があり、その配慮で勧誘やスカウトで年間の部員数は5人までと制限がかかっていた。
これは前川を信用していないと言うより、本格的な陸上部の復活を許していないと言う理事会一部の強い意見からだった。
桃陽学園が最も得意としていた駅伝チームを組むには選手がギリギリになってしまう・・・
それがある意味ペナルティであった。

その代わりと言っては何だが、部員寮の使用は許された。
その寮に部員全員が住み、寮母として奈緒美が就任。
前川もそこで生活している。

その前川の発案でとりあえずは、愛未、海里、春香が相部屋。
千夏とレベッカが相部屋となった。
これにはチームの精神状態を重要視する前川の考えがあっての事だった。

その理由と言うのがこれだった。

夜、頭から布団をすっぽり被り身体を丸めたレベッカ。
普段は無邪気で明るい彼女だけど、身体を丸めて声を押し殺して泣いていた。
即ち、ホームシックなのである。
夜になると故郷や家族を思い出して泣いてしまうレベッカ。
彼女も今年16になる少女でしかないのだ。

そのレベッカの布団に誰かが入ってくる。
そしてレベッカを抱きしめてくる。
レベッカの頬に当たる柔らかく温かい膨らみ。
それが千夏の・・・
しかも裸で入って来たと分かってレベッカは軽くパニックになる。

「抱きしめてあげるから、泣いていいよ」

優しい千夏の言葉。
抱きしめられる温かい体温が心地良くて、レベッカはいつしか声を上げて泣いてしまっていた。
そのレベッカを抱きしめて優しく頭を撫でる千夏。
つまり前川が千夏とレベッカを相部屋にしたのは、レベッカの精神的なサポートの為だったのだ。

「あなたは一人じゃないのよ」

泣きじゃくるレベッカを抱きしめ、優しく頭を撫でる千夏。
前川は彼女の持つ包容力に期待しレベッカと同部屋にしてメンタルを支えてもらえれば、と思っていた。結果的にそれは大成功と言っていいだろう。

「みんなで頑張っていきましょ」

千夏がレベッカの背中を撫でているうちにレベッカは泣き疲れスゥスゥと寝息を立ててしまう。

「私だって立ち直れて、嘘みたいに速く走れたんだもの」

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