学園ご意見所X 8
さて、そんなわけで校舎の片隅にあるカウンセリング室へ。
ドアをノックすると、中から「いるよー」という可愛い声。
なんというか、この声を聞くだけで癒されるっていうか。
「失礼します」
「あらー、久しぶりだね西浜さん。いらっしゃい」
「私もお邪魔するわね」
「おっと、アンリさんまでっ……これって例の部活のアレ?」
「それもあるんですけど、個人的にいろいろ聞きたいこともありまして」
「そう。それなら…西浜さん、最近こないからちょっと気になってたのよ」
「その辺は戸松っちゃんや私がやってるから大丈夫よ」
やってるってその言い方、アンリ先生。
「戸松さんが西浜さんを気に入ってるのは助かるよ。あの子はホントに頼りになる」
「ですよね」
「ちょ、私はッ!?」
「もちろんアンリさんもだよ。親友が被害者ってのもあって例の件にはいろいろ対応してるもの」
あ、こころ先生もなのか、そこに関わってくるの。
アンリ先生の親友は元人気アイドルグループのセンターで人気女優の真瀬淳子だけど、こころ先生の親友はどんな人なんだろう。
「こころんの親友って気になるでしょ。西浜さんも絶対知ってる。宇佐美聖來だよ」
「え、あの人気女子アナ!?」
入社1年目から報道番組のキャスターを務めてる美人女子アナがここのOGだとは…ここまで来たらもはや伝説なんじゃ。
「あはは、聖來も小学校中学校じゃ全然目立たなかったのに。真瀬淳子といい、なんかあるんだろうね」
「宇佐美聖來は出世のみならず、とんでもない彼氏までできちゃって。数年後はアメリカ行くんだろうな」
「その彼氏って」
「山本翔馬」
「え………球界の若き天才って言うあの…」
物凄い名前が出てきてビックリする。
誰でも知ってる超スーパースターだ。
「・・・じゃあ、やっぱり私って・・・恨まれたのかな」
レイプされた子はみんな成功すると言う元用務員を追放しちゃった原因作った張本人として、私は恨まれてるのかもしれない・・・
この話を聞いて何だかそう言う思いが強くなってきた。
「恨みなら私や戸松っちゃんが真っ先に狙われないとおかしいんじゃないかな?」
「うんうん、アンリさんなんか方々で恨み買ってるから闇討ちされてもおかしくないしね」
アンリ先生や愛華センパイは何もされてないぽいから思い過ごしならいいけど・・・
そしてこころ先生が続けて茶々入れたけど、アンリ先生の場合は恨まれて闇討ちされるより痴情のもつれで刺される可能性の方が高い気がする。
「こころん、私聖職者なのよ・・・恨まれる心当たりなんて無いわ」
「性職者の間違いかと」
アンリ先生には辛辣なこころ先生だけど、何というかこう言う会話を2人で楽しんでる感じがある。
まあ、こうして皆さんに支えてもらっているからまだ私が私らしく保たれているのかな、って思う。
それより、聞きたいこと聞かなきゃ。
「こころ先生、上川さんって、最近ここに来ます?」
「うん、週3くらいで。彼女は彼女で、自分がヤバい状態なのをわかってるからね」
「それでも最初の頃よりは随分マシになったわ」