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憧れの先輩はいろいろヤバい
官能リレー小説 - 学園物

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憧れの先輩はいろいろヤバい 2

放課後、とある県立高校の1年生、遊佐春秋は生徒会長・川原木希海に呼び出されていた。

春秋は生徒会室に向かう途中、階段の踊り場に設置された鏡をちらっと見た。

病的なまでに白い肌。男にしては長く、切りそろえられた黒…というより、灰色に近い色の髪。特徴のある姿だ。中性的に整った顔立ちは男性というより女性的な感じを受ける。

「今日は何を手伝えばいいんだろうな」

春秋が向かう先は当然生徒会室。生徒会と言っても、現在は会長以外のポストがいない。何故いないのかはわからない。故に希海と仲が良い春秋が頻繁に生徒会室に出入りしていた。

春秋とて憧れの先輩である希美に頼まれごとをされるのは決して悪い気分ではない。嫌々ではなくむしろ嬉々として生徒会に関わっている。

「先輩、遅くなりました」

生徒会室の扉をノックし中の反応をうかがう前に開け春秋は入室する。
廊下の扉から室内に入ると正面にある窓から夕焼けが差し込み生徒会室はまるで燃え上がるかのように赤く染まっていた。そんな朱色に染まった生徒会室の中で一人の美少女が異様な存在感を放っていた。

「あら、遅かったわね遊佐くん」

椅子に座り、長机で資料を整理しているのは生徒会長・川原木希海その人だ。
その言葉に春秋を責めたり叱ったりするニュアンスはない。

柔らかく微笑んだ彼女は「ほら、こっち」と春秋に声をかける。

そんな言葉も右から左へ、春秋は熱に浮かされたように希海を見つめていた。
窓ガラスから差し込まれた夕日を背負った彼女の姿はどこか神々しさを醸し出していたからだ。

春秋はしばし希海の姿に見惚れていた。腰のあたりまで伸ばした黒髪が夕日に反射し、いつもは真夜中のように真っ黒なその髪が今は赤く染まって見えたのだ。
その姿はまるで一枚の絵画のようだった。

「遊佐くん?」

ぼーっとした春秋を不思議に思った希海が声をかける。

「あ、すいません。その…日直で」
「そう。なるほどね。お疲れさま」

その一言で春秋の遅刻の理由を知った希海は、優しい声色で彼を労った。

「ありがとうございます。で、今日は何の手伝いを…」

春秋がそう尋ねると希海は手に持っていた整理中の資料を机に置き立ち上がる。

「今日はね、手伝う、とかそういうのじゃなくて………」

希海の綺麗で整った顔が春秋に近づいていく。大きく黒い瞳に見つめられた春秋は心臓が高鳴るのを感じた。どんどん距離を詰めてくる希海に少々たじろぎつつも距離に比例して鼓動が強くなっているのを感じていた。希海の方が春秋より身長がずっと低いのに、近づくとそんなことが関係なくなるかのような威圧感も受けた。

正面に立った希海は少し背筋を伸ばして春秋に顔を近づけると、彼をじっと見つめる。
希海のシャンプーの匂いだろうか、そんな香りが春秋の鼻腔を通り抜けていく。
ずっと嗅いでいたくなるような、心地よい香りだった。

「な、なんですっ!?」

緊張のあまり少し声が裏返る春秋。それを聞いた希海は思わずクスッと微笑んだ。

「ふふふっ」

差し込む夕日が2人の美少年と美少女を明るく照らしていた。窓が開いていたのか優しく吹き込む一陣の風が希海の黒髪を靡かせる。ぶわっと大きく広がった黒髪がシャンプーの香りを拡散させ春秋の心臓を高鳴らせた。

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