僕らの天使 13
何にしようか、と盛り上がる二人を僕は一歩離れて見ていた。
「アーシャに何かプレゼントしたら?」
うしろからさくらさんがそういった。ぼんやりアーシャたちの方を見ていたのでびくっとした。
「あ、すみません、ぼんやりしてて、びっくりしました…ええっ、プレゼント…」
「大げさなものじゃなくていいから、気軽に渡せそうなもの」
「そ、そうですね…」
僕はアーシャやゆりかさんとちょっと離れた小物の売り場に足を運んだ。
後ろからさくらさんがついてくる。
「アーシャちゃんは転校して間もないけど、あれだけ可愛いからきっと争奪戦よね」
「僕はそんな…」
「今何かしておいたら傑くんのポイントは高くなるよ」
さくらさんが軽く背中を押す。
僕は棚を見渡した。
かわいい感じの文房具とか、カップとか、これなら手頃に買えて、喜んでもらえて、もしかしたら使ってもらえるかもしれない…
僕は、マグカップの一つを手に取って、ふと思った。
アーシャはここに来た人なのだから、観光土産的なもののほうが記念になるかな。
手に取ったマグカップの向こうにもうひとつ別のものを見つけた。
熊が可愛らしくデフォルメされたもの。こっちの方がいいだろうか。
アーシャとゆりかさんはまだ2人で何か選んでいる様子。
その間に僕は会計を済ませプレゼントを購入した。
少しして2人も何か買ったようだ。
「傑くんもお揃いの、プレゼントしちゃうね!」
「えっ?」
アーシャが僕に近づき、小さな紙袋を僕に手渡した。
「開けていい?」
「もちろん」
僕は袋を開いた。
青い、ストラップ。
「私はコレ」
アーシャはピンク色のストラップを示した。
そして、僕のと並べ、
「ホラ、お揃い」