今日からキミを『管理』します。 35
その動きに慌てる幸成は尻に力が入ってしまう。
その様子を由香里は楽しそうに笑った。
「冗談よ、お尻を弄りたくて呼んだんじゃないの」
そう言われても若干警戒気味の幸成。
「じゃあ、何の用で?」
「この佳奈子に君を宛がう為よ」
予想外の答えに幸成は間の抜けた顔になってしまう。
意味は全く分からなかった。
「私の為に佳奈子には多くの子供を生んで貰いたいんだけど・・・どうせなら優秀な種がいいのよね」
「・・・それ、どう言う事ですか??」
「鈍い男ね・・・君の遺伝子が欲しいから佳奈子と子作りしなさいって事よ!」
幸成には理解できない申し出だった。
と言うか、この学園は常に幸成の理解の範疇を越えていた。
「佳奈子さんだっけ?・・・いいんですか?」
「はい、お嬢様のお役に立てるなら光栄です」
顔を上げた佳奈子と言う少女は、むしろ胸を張って答える。
つまり彼女達の思考からすれば、ごく当たり前の事なんだろう。
「うちのクラスの残り4人にも同じことをしているのよ」
「はあ…」
由香里も誇らしげに言う。
「佳奈子は私の一番信頼するメイドなの…それを君に託すのだから、わかるわよね?」
幸成は真樹やつかさが言っていたことを思い出した。
佳奈子を宛てがうことが幸成に対する大きな期待の表れ、なのだろう。
佳奈子の方は納得しているようで、裸のまま幸成の前で正座して深々と頭を下げた。
「お願いします、青山さんの種を下さい」
そう言うと佳奈子はクルリと反転し、四つん這いで尻を向けた。
いつでもどうぞとでも言う態度だ。
だが、それが幸成にまるで動物観察繁殖活動のように見えてしまった。
彼女には彼女の立場があるのだろうが、これは何と言うか家畜のような立場だ。
ここで断る・・・その選択も頭を過ったが、幸成が断った所で他の男子が行為に及ぶだけだろう。
なら、幸成なりのやり方でやってみようと、幸成は佳奈子をヒョイと転がし仰向けにした。
かなり驚く佳奈子。
地味で美少女とまではいかないが、顔立ちは整っているし何より純朴で可愛げがある。
なまじ美少女達より安心感を感じてしまうぐらいだ。
転がされて驚く佳奈子に覆い被さった幸成は、優しいタッチでふくよかな胸を触りながら唇を重ねた。
キスされた事に戸惑った佳奈子だったが、幸成に大人しく身を任せていた。
それから幸成はつかさや里帆との交わりで得た知識とテクニックを佳奈子に総動員させ、全身くまなく愛撫していった。
佳奈子は次第に甘い声を響かせ、ついには向こうのベッドでお手並み拝見していた由香里を赤面させるに至る。
「なかなかやるじゃない…私は必要ないみたいね」
よくわからない言葉を残し「シャワー浴びてくる」と言って由香里は部屋を出て行ってしまう。
幸成は由香里が出て行ったのを確認し佳奈子に告げた。
「佳奈子さん…入れるね」
「待って・・・」
ここに来て初めて佳奈子からストップがかかった。
幸成は特に焦る事なく聞き返す。
「どうしたの?」
「どうして・・・ここまで・・・してくれるのですか?・・・」
佳奈子に問いは幸成にとって返答の困るものであった。
里帆やつかさ達のように管理者であっても性欲処理の肉便器のようには使えなかった幸成・・・
やや女性にトラウマがあっても、男女の関係は愛し合うものだとの意識があった。
そして何より、自分の子供を産みたいと言う相手である。
「だって・・・子供は愛し合って作るものじゃないかな?」
世間一般的にはこの幸成の答えは間違いではない。
だが、彼女達の身分と立場では異質な考えだった。
佳奈子は目を見開いて驚いた。
彼女が子作りする理由は仕える家の為、自分の一族の為・・・
愛で子供は作らないのだ。
それなのに、今の幸成の答えにときめいてる佳奈子がいた。