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今日からキミを『管理』します。
官能リレー小説 - 学園物

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今日からキミを『管理』します。 29

置かれている状況を考えれば幸成にとっても、またつかさにとってもつかの間の息抜きともいえるかもしれない時間だ。
そして、普通の高校生らしいひと時。

「ここだよ、ココ」
「へぇ」
駅前商店街のメインストリートからは外れた、シックな佇まいの建物だった。

 平日午後、まだ夕方には少し時間がある。店は空いていた。
 幸成はチョコレートパフェを、つかさはフルーツパフェを、注文した。
 幸成は緊張していた。幸成にとっても、生まれて初めてのデート的なもの。しかし、擬似的にでも経験あるつかさのほうがいろいろ話を振って、二人は自然に話せていった。

最初は緊張でパフェの甘さすら感じなかった幸成も、つかさと楽しく会話できて安心と満足を得ることができた。

「出そうか?」
「私が誘ったんだから、任せて」
会計の際につかさに押し切られてしまう。まあ、彼女の方がいい家庭に育ったから…

寮への帰り道、つかさは再び幸成と手を繋いできた。
今度は指を絡め合う恋人つなぎで。
「大変、だった?」
「心配してくれてありがと…でも大丈夫だよ。これくらい、この学校にいたら経験するのは当たり前だもん」

つかさの表情は暗くない。
納得してるのだろう。
この学園、要は家の為、有力者の為の娼婦を作る養成所な訳だが、それに納得するだけの境遇と言う事なのか・・・
幸成には想像できない事だった。

「私がいい暮らしができるのは、一族がこうしてきたお陰・・・私だけでなくこの学校の女子全てもそう・・・そして、これからもいい暮らしがしたければこうする・・・それが私達の生き方よ」

はっきり言い切るつかさ。
勿論、幸成は想像できない生き方ではある。
それは幸せなのかと言う簡単な疑問は彼女に言うのは無駄だろう。
少なくとも幸成は庶民にして幸せな家でなかったから、愛だけでどうにかなる程この世の中甘くないぐらいは分かる。

「俺・・・何も言えないけど・・・つかさとこう言う関係でいたい・・・」

会ったその日に告白と言う程ではないが、女性不信をこじらせつつある幸成にとって数少ない味方だ。
関係を深めたいのは肉欲だけではない。
勿論、つかさが他の男にも身体を許す事実は、ちょっと心が重いのだが・・・


「私も幸成くんといい関係でいたいわ・・・それに幸成くんには是非『華才』を目指して欲しいの」
「華才?」
「この学校の成績優秀者に貰える表彰である意味特権かな・・・男子にも適用されるみたいだから、優秀な女子とも競って勝ち取って欲しいのよ」

それは学園の独自システムらしい。
まあ、成績優秀者を称えるシステムは珍しい事ではないから幸成もある事自体には疑問は無い。

「それが何で?」
「華才に表彰されると従者を付けられるの・・・言うなれば学校公認の取り巻きとかメイドみたいなのよ」

何となく幸成には飲み込めた。
この学園の女子にはかなり上下関係がはっきりしてるが、さっきの真樹とつかさの上下関係以外にもあの由香里の取り巻き達のようにまるでメイドのような子もいたのを覚えていた。
あれがそうなのかもしれない。

「つかさはもしかして真樹先輩の?」
「違うけど家の力関係と先輩だからね・・・でももし私が華才となって真樹先輩以上の成績出せたら、真樹先輩でも従者にできるのよ」


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