今日からキミを『管理』します。 27
「どうしたの?」
しばらく動けずにいた幸成に、真樹は変わらぬ口調で告げた。
拒否権はないのは、朝のことで幸成はよく分かっていた。
「はい」
幸成は、やや伏し目がちに返事し、つかさの前に歩いていき、膝立ちになり、さらにスカートの下に向かって体を下げていった。
だんだん、嫌な、男の臭いが漂い、幸成は鼻で息をするのを止めて口だけで呼吸した。
「ごめんね」
かすかなつかさの声が聞こえたような気がした。
(つかさが悪いんじゃないよ)
真樹がいなかったら、そう言いたい気持ちだった。
幸成はぐっと何かを堪えながら、つかさの、男の匂いで満たされた秘所を舐め始めた。
真樹は黙ってその光景を眺めていた。
青山幸成…学園初年度の男子の中でもナンバーワンの能力と魅力を兼ね備える文字通りのスーパールーキー…その彼をこれからどう管理しようか。
放課後、抑制することなく性欲をぶつけてきたあのガタイのいい男子とも比べたりしていた。
真樹は男女関係を競走馬と騎手の関係のように捉えている。
レースに勝って栄誉を得るのは競走馬であり、騎手は補助的なものに過ぎない。
だが、命令の聞けない競走馬、指示通りに走らない競走馬、騎手を振り落とす競走馬などはいくら能力があろうとレースに勝つことはできない。
だからこそ、この幸成と言う最高の才能を持つと見込んだ駿馬を、我が意のままに操れる競走馬に仕込みたいと言う意思があった。
あの筋肉馬鹿の男子は、ああ見えて服従させるのは簡単だ。
意外と体育会系の方が犬となる訓練を受けてるので、上下関係さえはっきりさせれば従順だ。
やや女性不信気味の幸成の方が難易度は高い。
それでも基本は一緒、屈服させる所から始める。
ただ真樹が舐めさせてもトラウマにしかならないから、気心が知れたと報告があったつかさを使った訳だ。
勿論、事後すぐの女陰を舐めさせたのも、服従を覚えさせるのと上下関係を叩き込む為だ。
つかさは管理者だから男子が求めたら、だれであれ股を開かざるを得ないと言う役目を逆手に取った訳である。
悪辣だが、効果はあったようだ。
一通りその場所を舐め終わった幸成は、床に手をついて下を向いて固まっていた。もし、ここで誰も居なくなったら涙を流したかも知れない。しかし、それは何とかこらえた。
「つかさ!ご苦労。行ってよし」
「はい!真樹様!」
つかさは気を付けして、直立して行進のように部屋から去った。
去っていくつかさの後ろ姿を見送りながら幸成は呆然とする。
もちろん引き留めたいとは思ったが目の前にいる存在がそうはさせてくれない。
「…さて」
真樹が幸成を値踏みするように見つめる。
「望んでないように見えるね。でもこれがうちの学園の現実」
ソファーから立ち上がり幸成の方に歩を進める真樹。
だが、そこで突然真樹のスマホが鳴り響く。
「ん?誰だよせっかくいいところで」
ポケットからスマホを取り出す真樹…その表情が青ざめる。
「げ………成美先生」