今日からキミを『管理』します。 16
つかさはそれを聞いて幸成に軽くキスした。
「ありがと」
つかさはそう言った後、ちょっと下を向いた。
「会長さんもきっと狙ってるだろうな。新入生データが出回ったとき、真っ先に『青山君の管理責任者になる!』って言ってたし」
「そんな場面があったんですか」
「同じクラスになれたらいいなあ」
「えっ、あ……同じ学年だったんだ」
「ふふ、年上だと思ってた?私もこれから入学式」
驚く幸成、それを見て微笑むつかさ。
「寮の生活棟は基本同じ学年で統一されているんだ。管理責任者に立候補したら上の学年でも同じ棟にいるけどね」
「はあ」
「ちょっと長くなっちゃったけど…時間はあるから、またその時。同じ教室で会えたらいいな」
幸成は再び寝間着を着て、男子寮に戻ってシャワーを浴び、入学式に行く。
もうかなり人が集まっている状況で、あまり席を選べず、彼は女子と女子の間に座る。見渡すと、本当に女子比率が高い、と彼は改めて思った。
「新入生の皆さん、神園学園にようこそ」
「伝統ある我が校の生徒である自覚を持って…」
校長の一般的な挨拶が続いた。股間管理とかの話は当然というか言及されず、幸成は“その話は、やっぱり非公式な話なんだろうな”と思った。
式典が終わると一枚の紙が配られる。
詳しく見てみるとクラス割りの詳細だった。
「1年3組…」
青山、という苗字だと大抵出席番号は一番だ。
やはり、という気持ちで幸成は苦笑いした。
そして下の方も……同じクラスに谷内つかさ、という名前を見つけちょっとだけホッとした。
幸成のクラスは自分を含めて男子は僅か5人。
全体は36人いるから少ないのは明らかだった。
自分のクラスに向かいながら、同じクラスであろう男子を見る。
皆、それなりにできそうなタイプだが、どことなく表情は冴えない。
ある意味、入学の高揚感が無いのだ。
それは多分、幸成自身もそうだろうが、初体験でガツンとやられたからだと何となく想像できた。
そんな男子達と特に言葉を交わす事無くクラスに入る。
女子達も入ってくるが、彼女達はほぼ顔馴染み同士なので和気藹々としていた。
男子達が入ると、一人の少女が幸成達の前に出て来る。
いかにもお嬢様と言った感じだが、あの生徒会長よりは柔らかそうな印象だった。
「私が3組のクラス委員長の柳沢涼香よ、よろしくね」
声も優しそうでちょっとホッとする。
あの生徒会長は幸成にとってトラウマになりそうな程だったが、他の男子も同じような顔をしていた。
やっぱり、みんな思いは同じなんだろう。
「じゃあ、自己紹介してもらうから・・・ズボンとパンツ脱いでね」
「ふえっ?!!」