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復讐の手順書
官能リレー小説 - 学園物

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復讐の手順書 9

「安達君って優しいね。安達君の想像通りだよ。私いじめられてるの。」
「誰に?」
「また一緒に帰ってくれるなら教えてあげる。それと、朝も一緒に学校に行こうよ。私、安達君の家に迎えに行くから。だめ?」
松下さんは一人になるのが嫌なのか?
いじめられているなら、一人きりにはなりたくないだろう。
「わかった。僕が君の家に迎えに行くよ。その方が安全だと思う。確か場所は…」
僕はこれまでの会話で、彼女がどのあたりに住んでるのか聞いていた。
「いいの?遠回りになっちゃうのに」
少し遠回りだけど、ちょっとだ。一駅分も無い。
「杉下さんを、放ってはおけないよ」
「うん…ありがと。じゃ、明日の朝、待ってるから。ここが私の家」
彼女がスマホの地図アプリで、場所を示す。
「全然遠くないね」
ついでに連絡先も交換しておいた。
その後は他愛ない事を話しながら、杉下さんの家についた。
「古臭いでしょ?」
「そんなことないよ。しっかりした感じがする」
古いがしっかりしたつくりの、和風の一戸建て。昭和時代に彼女の祖父辺りが建てたのだろうか。
「ありがと。じゃ、明日ね」
「うん、杉下さん、明日朝」
彼女が家に入ったのを確認して、僕も家に帰った。
とりあえず、夕食の用意をする。姉貴が帰ってくる前に作っておかなくちゃ。
ご飯は朝のうちに洗って、炊飯ジャーに19時過ぎに炊きあがるよう、タイマーでセットしてある。
今日は、昨日買っておいた豚肉で生姜焼きだ。
チャットアプリで確認すると、あと30分ほどで帰ってくるそうだ。
肉を切って、タレとショウガを用意して、混ぜて…姉貴が帰ってくるのを待つ。
帰ってきて、身の回りを片付ける時間を考えて、その間に焼けるよう用意しておいた。
そうこうしてるうちに姉貴が帰ってきた。
「ただいまー」
「お帰り、姉さん。今日は嫌な事がなかったみたいだね」
「ホント、今日みたいにスムーズだと楽なのにね」
姉貴が笑う。この笑顔を失わないためにも、足がつかないように復讐を完遂しなくては。
姉貴が帰って来たから、フライパンに油を流して暖め、タレとショウガで和えながら豚肉を焼いて…

できあがった生姜焼きに野菜を添えて、と。
「姉さん、夕ご飯できたよ」
「ありがとー。すぐ行くね」
自室にバッグなどを置いてきた姉さんが、リビングに来た。
姉貴は今年就職したばかり。リモートワークが広がりつつある世の中だけど、まだまだ教わる事が多くて、ほとんどの勤務日は出社している。頑張ってる姉貴の裏で、俺は復讐に励んでいる。でも、この幸せも失いたくない。
そんな思いを知ってか知らずか、姉貴は生姜焼きを楽しみにしていたようだ。
「おいしそうね」
「ありがとう。姉さんも今日は仕事が上手くいって良かったね」


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