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特進クラスの日常と事情
官能リレー小説 - 学園物

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特進クラスの日常と事情 2

 「おお、考えてみるよ」
 敦司は、2人から連絡先を聞いておいて部屋に戻った。

 そして、ボールペンを持って裏紙を4つのエリアに分けた。

 大橋 野乃花をパートナーにした場合のメリット/デメリット
 河野 アキラをパートナーにした場合のメリット/デメリット

 大橋 野乃花が、ピアスの子で、河野 アキラがボクっ娘だ。

 意思決定のためには、この枠を埋めていけば、どの選択肢が一番いいのかが分かる
…はずだったのだが、敦司はそこからペンが進まなかった。
 あまりにも、この二人の情報が少ない。
 パートナーになって一緒に暮らすなら、抜けるとか抱けるとか、以外にも話があうかどうか、とかいろいろな要素があるだろう。

 特進クラス特権だから、パートナーはいつでも替えることができる。実際に短期間に何回もパートナーを替えている人もいる。が、それをやると単なる軽い男と思われるだけ。敦司はそのようなキャラは目指していなかった。

 敦司は椅子に座ったまま天井を眺めて考えた。
 よし!

 まず、その二人を、もっと知る必要がある。一人ずつ、ちゃんと会ってみることにした。
 敦司はまず、野乃花に連絡を取った。

「嬉しいな、村山くんのほうから誘ってくれるなんて」
野乃花は連絡してすぐ、声を弾ませた。
「大橋さんがよければ、明日にでも…」
「野乃花でいいよ。じゃあ明日…2人になれる時間もあるし」
「いつにしようか」
「3時間目の体育のとき」

定期テストが一大イベントとなっている校風だけあって、この学校において体育の授業はお遊びの延長線上といってもいいに等しかった。
特に特進クラスの生徒にとっては授業を回避して休憩するいい時間といってもよい。

敦司も含め、皆、一応は真面目に体操着に着替えている。
 校庭の端の林の中、敦司は野乃花の体操着姿を改めてまじまじと見た。
 白いTシャツに紺の短パン、という女子体操着。
「ええと…野乃花…意外と、胸あるんだな…」
「意外に、だけ、余計」

 野乃花は少し顔を背けた。

 敦司は林の中を見渡した。同じように体操着を着て、例えば単語帳をめくっている人がいたりする。それでも、大声を出さなければ互いに意識しないくらいに離れていた。

 敦司は何の話を切り出そうか、いくつか考えていた。共通の興味、テストの話をすれば盛り上がるだろう。
 しかし、相手を知るために、敢えて違う話題に踏み込んだ。

「野乃花…休みの日とか、何しているの?」

 勉強している、という答えも予想できたが、験担ぎにピアスをたくさんするような女子だ。何か話がつながるような答えも有り得る、と彼は思った。
「別に…普通だけどなぁ、漫画読んだり、テレビ見たり。たまに買い物も行くね…あ、お気に入りのピアスを探したりとかっ」
心なしか野乃花が楽しそうな口ぶりになる。

敦司にしろ野乃花にしろ、寮住まいではあるが特に厳しいルールは存在しない。
学園自体が自由なスタイルであり、定期テストで生徒をランク付けはしてはいるもののそれ以外は生徒たちの自主性に任せているのだ。
生徒寮には家電や家具が用意されているし、自炊だって出来る。
特進クラスにまで上がれば、自分が希望するものを学校側に頼んで注文することだって出来るのだ。

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