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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 616

撃ち漏らしを悠里と眞澄が片付けている間、才英は弾倉を換えるなり剣付きライフルでしのぐ…。
「でえぃ!?」
この三人でどれだけ持ち堪えられるか…という不安が脳裏をよぎったその時…。
「…黒いの…混じってるね…」
「あぁん!新手かぃっ!?」
ファントムを爬虫類とするならソイツは昆虫か。
『カーカカカカ!ケェエエっ!!』
漆黒の甲殻生物…一応ヒトに近い体格を持つ奇怪な生物は雄叫びと共に、紅いマフラーをなびかせ包囲網に自ら躍り込む。
「…ア…〇…ゾ…ン?…」
「いやスト〇ンガーだろ?」

誰もが敵の新手と思ったその姿…しかし、64式に最後の弾倉を叩き込んでいた才英の表情が希望の色を示した。
「ケェケェケェ…カァアアアアっ!!」
まだ血の滴る鉤爪を広げ組み付いてきたファントムの喉笛を、その牙で咬み千切る。
「カァカカ!ドッチガ本物ノ化ケ物カッ!教エテヤラァア!!」
紅い複眼を輝かせる異形の者、両腕にカマキリ状の刃を生やし浮足だったファントムを縦横無陣に斬り刻む。
「刹那くんっ!!」
「カァカカカカ!才英チャンヨゥ!!随ト分楽シソウナ事ヤッテンジャネェノォ!カハハァア!!」

刹那…甲殻化能力の使い手。
能力者を掃倒する人型兵器が…狩られる側に回り始める、牙が刃が特殊装甲をナマス斬りに刻む。
接近戦では勝ち目がないと、マシンガン内蔵型のファントム達が連射を見舞う。
5.7mm徹甲弾が刹那の黒い甲殻を削り着弾の火花を散らした。
「痛ッ痛ェ!畜生ッ!!」
刹那はバッタ並のフットワークで回避を試み同士撃ちを誘うも、射撃適性の能力者データを取り入れたらしいFCSがそれを許さず、貫通こそしていないが機動力がガタ落ちしてゆく。

放電能力をコピーしたファントムのプラズマが刹那を貫き、隙を突いた格闘型が取り押さえ馬鹿力で五体を引き千切りにかかる…が。
爆音と共にそいつらの顔のない頭部が弾けた。
「苦戦なさってる様ですわねぇチンピラさん?」
連なる爆音に紛れるカン高い舌足らずなお嬢言葉、その主は小柄なロリータ体型に三編みを揺らしながら…M2ブローニング機銃の12.7mmでファントムをまとめてブチ抜く。
「ハッタリと勢いだけで生きてる殿方ですもの…仕方ありませんわ?」

こちらはハスキーボイスの長身モデル体型、黒髪をなびかせ、屋台の鉄板を仕立てた様な剛剣を薙ぐ。
特殊装甲に加え100kg近い自重を持ったファントムが芝刈りでも当てられたかの様に千切れ飛んでゆく。
「今泉…さん?」
才英が能力、肉体液化で鉤爪をぷるんと受け流しながら、ちょっとだけイヤそーな笑顔を浮かべる。
射撃の茜に白兵の碧、今泉姉妹…怪力無双の変態姉妹。
戦の流れが傾きを見せた。
「個体スペックも統制も甘い…所詮廉価版さ…橘流龍術!蒼ノ龍星!!」
砲弾の如く疾走する銀髪の少年。

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