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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 615

校舎の窓や扉だけではない、マンホールや通風口といった開閉と名の付く物は粗方ブチ破りながら、建物の出入りのマナーを片っ端から粉砕しながら奴らは来た。
百を越えるであろうファントム、量産化された超人兵士、白い死神の群れが裏庭に降り立った。
「ひぃいいっ!?」
「ま…まだあんなに!?」
どよめく避難生徒ら、絶望と落胆に蝕まれつつある群衆の中で…何処からみてもスーパーマンじゃない少年が一喝した。
「みんなシェルターへ!重傷者を優先!!」
「は…はいっ!生徒会長代理っ!!」

敗残兵の群れには見えぬ統率で、避難生徒はシェルターに向かい…生徒会長代理とやらに声援を送る。
「ご武運をっ!!」
「頑張ってぇ会長代理ぃ!!」
服部優奈は担架で運ばれながら…その渇き切った唇から問うた、簡潔かつ合理的に問う…。
「貴方は…誰?」
彼は二挺拳銃の弾倉を換えながら答える。
「北川才英、生徒会長代理…かな?」
激しい叫びの飛び交う中で優奈の声を聞き分けながら、少々自信なさげに彼はそう名乗った。
重々しくシェルターの隔壁が閉じる、彼女の目の前で。

シェルター内、外部カメラの映像。
無論優奈らにその会話まで読み取る術はない。
迫り来る死神の隊伍に向かって行く三人。
「行かなきゃ…怒られるよね?」
「私は…怒らない…でも殺す…。」
黒服の寡黙な少女、桐生悠里。
表情の変化も見せず、おっかない事を宣いながら弾の無くなったショットガンの代わりに、黒コートの下から出したライフル…64式小銃と専用の弾帯一式を受け取り、弾倉を叩き込み着剣したヘタレ本色。
「やっぱ…行かなきゃ…駄目?」
「行くなッつっても行けよっ!ああん!?」

黄色ジャージの不良娘、久遠眞澄。
こちらはイケイケな感じで、結局有無を言わせない。
才英は軽く涙目になりながらポケットから出した、セブンスターを一本食わえる。
弱虫の挽歌の震える煙草に眞澄がジッポーで点ける。
「生徒会長代理…だもんね?」
トホホとくわえ煙草の紫煙が目に染みる中で、それなりに、なるべく、できるだけの覚悟を決めた北川才英。
自動ライフルのボルトを前後させ初弾装填、セレクターは連発のレに切り替えた。
カッコつけに一服してみたものの煙たくて仕方ない。
才英、決意新たに軽く吸い込む…てぇか生徒会役員が煙草吸うな。
「よしっ!行くぞっ!!」
駆け出す怒号に飛んだ煙草が、荒野の血溜りに沈んで消えた。
「あいよ!!」
「おうよ!!」
と連れ添う二人も右手に刀、左手に拳銃とカチ込みスタイルで後に続いた…。
「各個撃破っ!!」
ライフル…64式の7.62mm弾の連射でファントムの足が止まる。
密集している上に的が大きいお陰で外す事もなくライフル弾はファントムを貫く。
20連弾倉もたちまち空になったが倒せたのは5〜6体か。

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