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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 612

手洗い場は削岩機でも当てたかの様にブロックごと砕かれ、ジワリジワリと銃弾の虫食いが浸蝕してゆく。
「も…持たない!?」
そして貫通した一発が、優奈の左肩口に小さな血しぶきの華を咲かせた。
ワンテンポ遅れて痺れと共に、痛覚の焼け火箸が肩を貫く。
「くぅ…ぐぅうううっ!?」
奥歯を噛み締める優奈の足元、銃弾を受けた水道管が弾けスプリンクラー状の霧が辺りを包む。
ファントムがどれ程の探知能力を持っているのかは知らないが…逃げるなら今だ!!
校舎の反対側にある防災シェルター…そこまで逃げれば…。
優奈はズブ濡れの躯を引きずりながら…霧の向こうでうごめく影を尻目に、絶望の淵から這い上がった。
降りしきる豪雨にも似た中、私は生きている…と。
どこか遠くからも怒号と絶叫、激しい斬り結びや銃声が聞こえてくる気がした…この学園島の別の何処かで自分と同じく戦っているのか。
手洗い場の残骸と水のカーテンを乗り換えて来た一体のファントムが、空のライフルを棍棒がわりに振り下ろす…筋力強化の一撃は、彼女の頭蓋を破裂させるに十分だろう。

「…ビビッたら負け…」
優奈は自分自身に言い聞かせる、ヒビ割れと水滴で些か視界の阻害される中でも彼女の『分析能力』は問題なく発揮された。
センサー類の集まる部分、ジャックポット…優奈は頭か首か?とおぼしき部分を狙い無造作に片手撃ちで三発叩き込む。
着弾の衝撃で運動モーメントの狂ったそいつは濡れたアスファルトに叩き付けられ、断裂した配線と体液のミックスとなった首をバタつかせる…。

「所詮『能力者もどき』のお人形…。」
分析しつつ…グキャ!と踏みにじる破砕音、古びたドラム缶でも踏み潰すかの様に。
しかしまだ無数のファントムは健在、今ので気付かれただろう。
しかしラノベの最強ヒロイン気取りでクソ真面目に戦う必要性は皆無であると理解していた。
「…私の普通を邪魔するな…。」
伊達に三年間過ごしてはいない、とばかり不適な笑みで眼鏡を輝かせる優奈。
入学間もなく持ち物検査で難癖つけ、停学が嫌なら股を開けと宣う風紀委員を『取り敢えず気が済むまで』叩きのめして揉み消した。

初体験相手の浮気現場で金属バット片手に大太刀回り…一生使いモノにならなくなるまで股間に千本ノックを喰らわせた後で男女平等に、淫売女にも伝説のAV女優、豊〇ばりに前も後ろもガバカバに裂けるまで…金属バットをブチ込んでやった。
…それから強姦魔まがいのニヤケたナンパ師に鉛弾で…とにかく。
「私の普通を汚すなっ!!」
追いすがるファントムの群れを残弾で牽制しながら肉体限界を越えたランナーズハイ、ひた走る。
「普通の何処がッ!普通に生きる何が悪いッ!?」

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