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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 611

「…死にたくない…」
鼠をいたぶる猫の様に迫るファントム…ただ単に非戦闘員相手に、各種能力者からフィードバックされた能力を使うまでもないとAIが判断しただけの事…当然、服部優奈自身もその事実を理解していた。
「…死にたくない…?」
ああ…そうなんだ…と、漸く理数系かつ現実主義者である彼女にも理解出来た。
「…生き延びたい…!!」
下らないヒーロー意識と虚飾に満ちたバンザイ突撃を繰り返す馬鹿共の根本的思考回路が理解出来た、合理的に!!
「…死んでたまるか…死んでやるものかぁっ!!」

我こそ凡人代表と服部優奈が喉も裂けんばかりの絶叫で対峙する…ファントムのAIも一瞬判断が遅れる程に。
「真面目くさった英雄譚には興味はありませんッ…しかしッ!現実的で『合理的』な覚悟がッ…言葉ではなく心で理解出来ましたッ!!」
彼女とて香港国際学園の女生徒…なおかつ生粋の『合理主義者』である。
ならばこの場で成す術も無く消える理由も無かろう、嗚呼そうだ!
生意気にも現実味の欠片もない武勇を振るって『逃げろ』と命じた下級生の意思が…言葉ではなく心で理解出来た。

「ブッ殺…」
バックステップしながら、言葉も半ば背中側ホルスターから抜き放つグロック17…彼女とて香港国際学園の三年生、私物でこれぐらいは用意している。
「…してやるッ!!」
叫び終わるが同時か対能力者用、劣化ミスリル弾の速射をファントム達に浴びせた。
手負いの数体は脱落した様だが、屍を乗り越えゾンビの如く追ってくる。
「死んでたまるかぁ!!」
ファントムに弾幕で距離を取りながら必死で走る。
手近なバリケード、手洗い場の陰に身を隠し一息漏らす。

「…生き延びたい…」
弾倉を換えながら彼女の能力…眼鏡を媒体とした『分析能力』で相対した人型兵器の大まかなスペックをレンズに表示した。
「…普通に就職して…」
概ねC〜Dランクの戦闘向け能力を模した人型兵器…特殊金属の装甲は9mmの特殊弾でどうにか手傷を負わせられる様だ。
「…普通に結婚したい…」
幸せ未来予想を描く優奈、ファントムの足音に気付き振り向きざま近い奴に照準、ブロックに肘を依託して安定させながらの射撃。
…たんったんったんっ…

あまり射撃は得手ではないモノの、分析能力で修正しながら着弾させる。
…たんったんったんっ…
10発近く喰らわせた辺りで漸く一体、被弾箇所から青い体液を流出させながら起動停止。
「弾…足りるかしら…」
倒れた連中の銃でも拾っておけば良かったと、後悔の念を感じた矢先…。
「え…?」
ファントム達がその、『拾い物』らしい…血まみれのAKライフルを優奈に照準しているではないか!!
「射撃にも対応してるのっ!?」
だたたたたんっ!だたたたたんっ!
拳銃弾とは比べモノにならない火力と威力。

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