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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 609

何時の間に流れていたのか、眼鏡の下で涙を拭う服部優奈。
「私はあなた達みたいには…なれないから…。」
ふと思い出す…何の偶然か、この伝説の英雄達の戦いの中に生き残った『非力な女生徒』としての記憶。
…現在『謎の爆発』と記される戦場での一幕…
そこに服部優奈は居た、少年漫画か歴史伝承の一幕としか思えぬ戦場に…。
「負けてらんないのよォ!アンタ達なんかにィ!!」
茶髪をツインテールに結った女生徒が肉体強化能力を発動しながら、特殊合金ナイフを逆手に突撃してゆく。
白いトカゲの様な軍勢『ファントム』…名も知らぬ隣のクラスの女生徒はそいつを十体ほど道連れにした後『殺してやる』と呪いの言葉を吐き散らしながら…コマ切れの肉片と化した。
ファントム…超常能力者を模した『人型兵器』である。
「借りるぞ田戸礼っ!!」
勇猛果敢な飛行能力者の男子生徒が級友の名を叫ぶ…その身が挽き肉状になるまで手放さなかった、級友のサブマシンガンを拾い飛翔。
上空から9mm弾を降らせるも一条のビーム…プラズマ兵器装備のファントムの一撃に消し炭と化した。

質、量共に圧倒的に不利…
しかし彼らは怯む様子もなくファントムに戦いを挑んでいく。
自由と混沌、性と暴力をこよなく愛する彼らにとって、神々の意思や様々な勢力の思惑など関係ない。
ただ、彼らにとってこの学園だけが『居場所』なのだから…
己の居場所の為に戦っているだけなのだ。

また優奈の傍にいた学生の一団が某独裁国家産の粗悪なAKを構える。
そう…学園で紅い革命を目論む悪名(?)高い武装集団、ベ○コン学生の一団である。

「同志、地獄で会おう!」
親指をおっ立ててそう言う男の表情には悲壮感は無い。
「へっ!…同志、ここ以上の地獄ってあるのかい?」
同じく身構えながらも軽口を叩き、笑う仲間達…彼らにも何の悲壮感も無い。
彼らもいっぱしの能力者であるが…優奈でなくともファントムとの差が余りにも大きな隔たりがある事は一目瞭然である。
彼らが頼みとするAKとて…それがまともな製品だとしても差が埋まる訳は無い。

たちまちミンチ、スライス、血の滴るレア…この校庭は彼らをハンバーガーでもしようと言うのか。
その狂気の光景を目の前に、泣き叫び失禁しながら這いずる一人の女生徒…服部優奈(当時18才)が居た。
「助けて…死にたくない!死にたくない!死にたくないっ!!」
「チッ!敗北主義者めっ!!」
編傘を被った黒パジャマが優奈を罵るが…それを人民服姿の指揮官らしい上級生が咎めた。
「止めんか同志!全ては戦いを知らぬ…人民解放の為!!」
ホルスターから抜いたトカレフ拳銃を掲げる。
「突撃ィイイイ!!」

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