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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 606

「…ふぇええ…」
一番マトモな反応を示したのはレイナだろう…。
何しろ白月の自慢話を比較的詳しく聞いていただけに…額にタテ線とヒヤ汗マークで軽く腰を抜かしながら安堵の溜め息をついていた。
話の内容からして晶との口論においてブチ切れた勢いに任せ、恐らく古代竜#ドゥ※ガ*グとやら以上の召喚を二体も(さっき以上にコントロール不完全で)放置しかけていたのだから…。
「じゃ〜またに〜!!」
…と小さな召喚師は舌足らずな別れの句を残し、長身の人影の元へ駆けて行く…。

「……はい、報告は以上です……それでは」
 黒禍はこれまでの騒動を後目に何処かに連絡していたらしい。
「し〜おん、何やってんの?」
「……実家からの定時連絡だ」
「あーそんなのもあったね、何か言ってた?」
「……いや」
「そっか、ならいいや……そうだ! これからA組の人達に会いにいかない?」
 興味を無くしたのか話題を変える白月。
「……構わない」
「よし、レッツらゴー!」



「紫怨達の方はまだ異常無し、か」
 そう呟くのは一見十代前半の少年。
「古代竜の暴走があったと言っておりましたが……」
 その側に控えるのは厳めしい顔をした白髪の老人。
「その程度の事件なら気にするまでも無いさ」
 本当に何事も無さそうに言い放つ。
「今の所全て予定通り、紫怨と美幸はこれから起きる出来事の中心になるであろうA組に編入、埋葬機関とかの権利書を巡る組織にも全て間者が入り込んでいるし……こうも上手くいき過ぎると逆に罠にはめられているんじゃないかと疑いたくなるね」
「……それは有り得ません……我等『灰色の守護家』の存在を知る者はその一族のみ……知らないという事は主観的には存在しないと同じ……存在しないものを警戒する者は居りません」
「解ってるよ、言ってみただけさ」
 肩を竦めて答える。
「相変わらず堅いね、紫怨もそうだったけど黒禍の血筋は皆そうなのかい?」
「禍月様がおっしゃいますならばそうなのでございましょう」
「……お前と話してると面白みが無くてつまらないね……あーあ、モーズレイを呼び戻そうかなー」
 苦笑しながら話す禍月と呼ばれた少年。
「……グレイムーン家の若頭は特別科の教師として潜入しております……それは不可能でしょう」
「だから言ってみただけだって、冗談だって事ぐらい解ってよ」
 苦笑と言うには苦味が強すぎる表情になる禍月。

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