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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 602

白月の小さな肩がビクンと揺れた。
彼の見せつける現実、彼女が目を反らしていた現実、過信の結末。
「…お前は…ガキだ…例え原爆を持っていても…それは只の…原爆を持ったガキ…」
…古代竜の通過した跡は生々しい爪痕を残し、主戦場となった廃工場跡地に至っては空爆でも受けた様な有り様…
『死ぬかと思ったぁ!!』
…と崩壊した変電所からズタボロでヨタヨタの忍者くんが這い出して来たが、普段通り誰も気付かない。
「だったら…何よっ!能力者皆で隠者か野伏にでもなれって言うのっ…?」

白月は肩を震わせ撒くし立てた…涙ながらに。
「…傲って…キレて…泣いて…やはりガキだ…」
態度を変えない晶に割って入る玄人。
「No!晶ちゃん君っ!女の子を泣か…」
「黙ってて(ぎゅ)。」
レイナが玄人の尻を力任せにツネる。
「子供の問題は…子供の視点でね?」
声にならぬ悲鳴を上げる玄人、既に尻に敷かれ始めてます。
真っ先に食ってかかると思われた黒禍は物言わず…微笑みすらたたえていた。
「能力者の為の学園!だからこそ実力を示すのっ!!」
…叫びながらも薄々理解していた…晶の言わんとする事を。
「そう…だからこそ制御しなければいけない…個人が持つには強大すぎる力を…」
「うん…ごめんなさい……ヒッグ…ごめんなさい…」
泣きながら謝り続ける白月の頭を黒禍が撫でる。
「わかれば…いい。」
晶はまた、感情のない目に戻った。
「じゃあ帰って鍋でもつつこ?」
「レイナ…」
「何、デルリン?」
「鍋の前に…この後始末を手伝おうではないか?君の超再生は役に立つぞ?」
「は〜い。じゃあ行こう、デルリン?」
玄人に腕を組み、その場を離れるレイナ。
そして残された晶と黒禍、白月。
「能力に驕ってはいけない。鍛練を積まなければ能力者ではない…」
晶はそう言い残し、玄人とレイナを追いかける。
「グスッ…ねぇ、紫怨…」
「…なんだ?」
「私…頑張る。強くなる。心も…」
「ああ…」
もう一度、黒禍は晶の頭を撫でた。


「おお!そう言えばレイナ、晶ちゃん君。我輩のつてでな、E組に入らないかと声がかかったが、いかがかな?」
「ほんと!?やったぁ!……でも、晶ちゃんは?」
A組の件もあり、心配になったレイナが晶を見る。
「いい…A組じゃなければ。喜んで…」
「じゃあ、決まりねっ!」
クラス編入の話に盛り上がるレイナ。飛び跳ねて喜ぶその後ろから紫怨が小走りでやってきた。
「先程は……世話をかけた……。代わって……礼を言う……」
「気にするな……こちらのやりたい様にやっただけ……礼を言われる筋合いはない……」
そう言い、三点リーダの使い手2人の間に間が空き始めるそこで何かに気付いたかのようにレイナが口を挟む。
「そういえば晶ちゃんが自分から口を挟むのって珍しいよね?どうして自分から美幸ちゃんを?」

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