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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 601

「その言い方だと普通じゃない方法があるって言ってるみたいに聞こえるけど……」
 白月の発言の中に違和感を感じたレイナは白月に尋ねる。
「あるよ、試合じゃ反則とられちゃうから野試合ぐらいでしか使えないけどね」
処女か童貞の生き血一人前みたいな外法の類、とも解釈出来るが…美幸の趣味ではないだろう。
レイナには、やたら誇らしげに宣う美幸の意図に大体の想像がついた…危なっかしい裏技の類。
白月美幸の危険性はそこにある…コンプレックスと自己顕示欲のせめぎ合い、そして恵まれた才能と反比例した幼児性。
ゲーム感覚であっさりボタン一つの『ハイリスク・ハイリターン』『リミッター解除』的な切札を持っていそうな危険性だ。
黒禍が抑え役に回る苦労は想像に難くない。

レイナは(精神的に)大人の立場として白月を諭さねばならぬと感じてはいたが…手頃な言葉が見付からない、頭ごなしな説教を素直に受ける子とは思えなかった。
丁度晶と共に、竜牙兵の残党退治から戻って来た黒禍の姿を認めた。
そういった部分はきっと彼の担当なのだろう、と納得したレイナであった…が。
「…おいチビ…反省しろ…。」
そりゃもう頭ごなしどころか、直球でした。
しかも『おいチビ』という素敵なマクラ言葉付きで言ってのけたのは…神凪晶であった。

すぅ…と白月の表情から感情の一切が退いてゆく。
チリチリと空気…いや空間そのものが焦げ付くような緊張感。
「晶ちゃん君だっけ?アンタ今…最高のドデカ地雷踏んだよぉ!?」
「…!!」
チビ…白月の『触れてはいけないキーワード』だったのだろうか(『影犬』と同義語らしい)、制止に入ろうとする黒禍に待った!をかけるのは何時の間にか戻ってきた、と言うより今まで何処に居たのだ大阿門D玄人…。
しかし晶の態度には彼女にとって『最高のドデカ地雷』だと知った上で踏んだ様な意図さえ感じられた。
「…だったら!?…」
しかし晶の瞳…普段は常にミリ単位の感情表現、寝てか覚めてかも判別不能であったその瞳には、明らかな怒りの色が示されていた。
「アタシをチビ呼ばわりしたからには…キレさしたからにはタダじゃ済まないよ…?!」
白月の髪が逆立ち、幾つもの複雑怪奇な魔法陣を空間に刻む…更なる強大な異界の者共を召喚すべく術式が紡がれていた。
「…どうする?…」
…と、神凪晶は大地を扇ぐ様に瓦礫の山となった男宿を示す。
「…また…『こうする』のか?…自分の実力を示したいが為に!?…」

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