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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 599

そのバイザーの片隅、えったの表情に凶悪な影…。
「最近大技って言うと、ひかるさんに置いてけぼりされてますからねぇ…。」
…ちゅいいいん…
金属質な唸りと共に、ライフル銃剣に黒いオーラが螺旋を描き、具現化された渦を巻く…ドリルゥウウウっ!?
『き…貴様っ!乙女の尻にそんなモノをっ!?』
「うるせェエエエ!古代竜っ!何が乙女だぁ年増女がァアアア!!」
流石の古代竜も『黒いえった』を目の前に泣きが入った。
そしてドリルですっ!ドリルっ!!漢の必殺ウェポンっ!!

『え…え〜と…さぁっ!良い子の願いがサンゴック3のエネルギーだっ!皆で応援するのねんっ!!』
佐藤某の着ぐるみの上でアナウンスを続ける西川羽音、腐ってもアイドル(B級)。
『SATUGAIせよ!SATUGAIせよ!!』
『ブチブチ込めー!ブチブチ込めー!!』
(すげぇ…三歳ぐらいの女の子まで『ブチ込め』とか叫んでる…)
常識人ルーファス、えったちゃんのルール無用な残虐ファイト(?)に呼応した喚声を上げる子供達に軽くドン引き、ちょっぴ将来が心配。

兎も角えったの時間稼ぎは十分、ひかるは狙撃体制に入る。
「あうぅ…もっと単純な照準装置にならないのっ!?」
えった側にコピーされた具現化能力も十全でない様に、ひかるの射撃能力もこうした多少の不便を抱えていた。
外見上はアニメや特撮の狙撃シーン演出にも見えてある意味カッコ良いのだが、実際に装備(具現化)すると面倒な事この上なかった。
(研究の余地アリかなぁ)
どうにかレーザービームの収束やら、目標である『逆鱗』への照準を安定させてゆくのだが…どういう訳だろう…。

無数のカーソルのひとつが、古代竜(のお尻)にクロガネ突撃を喰らわせ牽制していたえったを『敵の一体』として認識していた。
(え…!?)
慌ててえったへのロックを解除、試しにバイザー内のカーソルを竜牙騎兵と戦う、威李花と山本ひじりに近付けてみるが…やはり敵味方の区別は付く。
(…そう言えば…)
1-E戦での暴走を思い出すひかる…あの時、フルパワーで暴走した具現化武器は…
『確実に辺里えったを狙っていた』
…という事実。

同じく交戦中、ダマスカス刀を振るうサラ・タームと44マグナムをブッ放す賀集量子の凸凹コンビ…救護活動を行う白壁昴や烏丸…やはり異常なく敵味方の区別はついた。
もう一度えったにカーソルを合わせてみる…暫し、敵味方を判別する青と赤の明滅の後…『青』に落ち着いた。
「えったちゃんは…私の…敵?」
どうも能力の強化が進むと敵味方の判別が…特に辺里えったに対して不安定になる様だ。
意識を集中すれば問題はなかったが…後にしこりを残す事実であった。

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