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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 592

「アンタが…ずっとアタシの側に居てくれるなら…カタギにだって何にだって…」
どこか寂し気な微笑みと共に振り返る天地、弛緩しながらもやや上向きの…世界樹ユグドラシルが如き逸物が揺れる。
「それは、いけません、おろち姐さん。」
「あ…う!?」
光樹のお化け茸や影汰のマグナムさえ霞んで見える、正に神の領域…人知れず密会を繰り返し、幾度となく己が子宮を貫いた逸物を目の前にして初な乙女の様に頬を染める。
「貴女には…この男宿でアウトローさん達を導いてゆく大事な仕事があるじゃないですか?」

何故この二人が付き合っているのか詳しい事情は…浅倉組と天地親衛隊でも、一部の人間しか知らないそうな。
噂程度に聞けるのは、中等部時代に天地を逆レ〇プして初モノを頂いちゃったのが…おろち姐さんという話。

武闘派不良グループの一つとして名を馳せる浅倉組の組長、1-B浅倉おろち。
喧嘩上等な極道娘も、唯一彼の前でだけは恋する女の子に戻る事が出来るのだろう…。
「アタイもついて行く…ったら怒るんだろ?」
棚から出したフィリップモリスを、紫のルージュを引いた唇に挟む。
「偉そうに、ふんぞり返って待ってて下さい…親分さんらしく。」
「フン…一人で恐くないのかい坊や?試合と違って判定じゃあ…済まないんだよ?」
ややツンデレな駆け引きを演じつつ一服つける、からかう様に吹き掛けた紫煙に天地が軽くむせた。

「命を失うより…『漢』を失う方が怖いから。」
手早く身支度を済ませその背に佩くは神木の木刀…神々しいまでのその姿におろち姐さんは、かつて遊び半分に摘み喰いした光樹の姿をダブらせた。
…道理で気になると思ったらアイツ…似てたんだ…天地に…
見送る背中に微笑みを浮かべる。
「でもね、アンタを行かせるわけにはいかないのよ。」

一度手元で刃をちらつかせ数歩離れた背中に、体ごとぶつかった。深々と刺さった小刀は背中の筋肉を貫通し内蔵にまで達しているだろう。

「ずっとアタシの傍にいればカタギでいられたのに。」


崩れていく体がスローモーションのように見える。ゆっくりと広がっていく血溜まりにシーツを浸しながら泣いた。

愛した男を想って。

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