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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 569

だがルーファスはサックスの音を収束し、増幅し、さらには強化して古代竜の雄叫びに打ち勝ったのである。
まさに音能力者のルーファスが自身の能力を最大限にまで引き出したからこそ出来た神業と言っていい。
肩で息を突き始めるルーファス。
(いや…最大出力で!もう一発喰らわせれば…!!)
さしもの古代竜と言えど呼吸器の破裂や血肉の沸騰には耐えられまい…いや必殺には遠くとも!せめて幾らかダメージを…!!
「待てぃ!!」
「え…?」
剃刀が如く気迫がルーファスの背に突き刺さる…何者なのだこの刀機真奈美とやらは!?
「武勲に焦るは…子供達を守る一心であろう?だが今…貴様に倒れられては困るのだよ!?」

「……」
「だから…今は待機だ。後方支援だけしてればよい。機を待て…」
「…はい」
「うむ、分かれば良いのだ…」
心を見透かされた。この少女はなんとも不思議な雰囲気を纏っている。風貌は可憐な美少女である。しかし見た目とはまた違う、美しい洗練された気を持っている。
そう、例えるならばこの教会のマリア像か。
「では、僕は支援を引き続きします…」


「おいっ!今、闘えるヤツは何人だ!?」
「後…11人だっ!他はもう動けねぇ」
「よしっ!一度、集まって…もう一回、チャージを掛けるぞ!」
「「おうっ!!」」
強化能力者達が残り少ない手榴弾を…グレネードランチャー並の球威でブン投げて援護している間に、他のメンバーは体制を整える。
「この曲、ワーグナーか…『ロンメル戦車隊』だな。」
SS軍服姿の眼帯男が軽トラの荷台から旧式の汎用機銃を外して小脇に抱える。
無論三脚は放棄した…ラフェッテと呼ばれる貴重な型だが突撃には不要、機銃本体とタマがあればいい…薬室から連なる弾帯は大分短かった。
「爆竜大佐のヘリ部隊の曲じゃなかったっけ?」
野戦服にジャラジャラとピースマークを吊した男が、空いた荷台に負傷者達を押し込む。

愛用のM16ライフルは灼熱のドラゴンブレスで溶かされ、彼の得物はオリハル合金の蛮刀だけだった。
まだ戦える!とカラ元気な重傷者をそいつでミネ打ちして黙らせて押し込み、やはり怪我人のドライバーに軽トラを発車させた…手榴弾の爆発音が途切れ始める。
「辺里くん、オレらの骨拾ってくれっかな?」
黒服のマリアッチ(ギタリスト)がショットガンで十字を切り覚悟をキメる。
「ああ『残ってりゃ』な。」
穴だらけコート(42発の弾痕)の二挺拳銃が喰わえ煙草の紫煙をくゆらせながら返した。

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