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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 564

そんな風に言っているが…問題はオトコギドラの速度…
侵攻速度が早過ぎて間に合わないのだ。
必要な足止めはえったが不良達に指示を出しているが…それすらどれだけ足止めできるか解らない。

しかし、彼女達には幸か不幸か…まだまだ抵抗し続ける漢は男宿にはいた。
そんな一人…アイパー祥二こと愛甲祥二が花火部の部員から打ち上げ花火を拝借して一発逆転を狙おうとしていた。
「無茶ですっ!…花火は人を打ち上げるもんじゃ無いですっ!!」

巨大打ち上げ花火『男玉六號』…学園のイベントでも滅多に上げない代物に掴まり祥二はアイパーを掌の熱で手直しし部員達に言ってのける。
「漢見せるにいい代物じゃねーか…この俺様がドデカい花火打ち上げでやるぜっ!」
この男…アホではあるが、己の事は良く知っている。
火炎能力者の彼は…当然耐火能力もある。
男玉六號の爆発力に耐えれるかは疑問だが、熱さには耐えれる訳だ。
「バッカじゃないのアンタ!…」
一人燃える(常に燃えてるが…)祥二に冷たい言葉を浴びせる少女…

御津聖奈…アイパーの喧嘩相手である。
「アンタ一人がイキがって何とかなる相手っ?…無駄死にも甚だしいわっ!!」
聖奈の言葉も祥二は笑って返す。
「今の俺様は誰も止められん!…俺様を止めたきゃ…」
間を置いた祥二に一堂息を飲み次の言葉を待つ。
ニヤリと笑い祥二は口を開く。
「一発ヤラせろ…」
…今度は凍り付く一堂。
その中で聖奈だけは満面の笑みを浮かべている。
ふふふっ…はははっ…と二人の笑みが木霊するが、周囲の者には凄まじく空虚に響いた。

「お逝きなさい…」
満面の笑みのまま、シュボッと火を付ける聖奈…
瞬く間に噴煙が広がり…ロケットのようにゆっくり上に少し浮いた後、轟音響かせ一気に上昇する。
「ウヂョーォオッッ!!…火ぃ点けるか普通ぅーっ!!…」
やや心の準備がついていなかった祥二を乗せて音速で上昇する男玉六號…
その時、花火部員が何かに気付いたように言う。
「あれっ?…何か火力が足りない気がする…」
無論、その言葉は祥二に聞こえる筈も無い。

とは言え、マッハで翔ぶ男玉六號はオトコギドラにぐんぐん近付く。
「ドウアァァッッ!!…いけぃ!、このままあぁっ!!…」
何とか覚悟を決めれた祥二が叫ぶが…

ドッ…ドッドーン…

空に咲く大輪の光の花…その華麗さたるや、花火の中の花火と言って良かった。
このような危機であれ…全ての者が暫し光の花に魅入ってしまう程であった。
「…綺麗……」
元凶の聖奈もすっかり忘れて魅入っていた。

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