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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 562

(わかりません…なにひとつ)
彼もまた学園に来る前は孤児の出身であった1-F執事ルーファス…こうして学園内孤児院に時々顔を出しているのだが、この奇妙な来客…刀機真奈美と名乗る女生徒の申し出を理解しかねていた。
「常識的に考えて…こういった場所の子供達は娯楽に飢えているだろう?」
(ああ…もの凄く嫌な予感)
心配して様子を見に来たシスター姿の老婆二人…院長と副院長に『着ぐるみ怪獣ショー』の許可を求める刀機。
「えぇ…子供達も喜ぶと思います…。」
「うむ!刃引きの剣や模擬弾、特撮で火炎放射などありますが…『少々危険な演出』なので『子供達は絶対安全』な場所で見物させて下さい。」
(つまり真剣で実弾で本物の火炎放射って事ですか)
彼はその雰囲気からして、ヤクザ学生の抗争だとか言うレベルではないと悟った。
「はい…こんな無法地帯の孤児院ですからねぇ…建物全体にバリアが張れる様になっております。」
にこやかな皺を作り微笑む院長の後に副院長が続ける。
「フフ…『本物の怪獣でも攻めて来ない限り』耐えられる仕様ですのよ。」

「………それなら…大丈夫でしょう」
(本物なんだ…)
ルーファスの嫌な予感が的中した。
そこへ…
「…刀機さんっ!」
ひかるが駆けて来た。
「後からやくざ屋さん達も来ますっ」
「そうか…シスター、子供達を『一人残らず』集めておいて下さい。後、『念の為』バリアを張っておいて下さい。」
「ええ、分りました…行きましょう、副院長…」
シスター達が院内へ消えた後…
「…刀機さんでしたか。怪獣って本物なんですよね」
刀機は少し思案した後、答えた。
「ああ…そうだが」
「僕も戦いましょう…院の子供達を守ります」
「頼む…ええっと」
「ルーファスといいます。1-Fです」
「うむ…ルーファス、君の能力を教えてくれるか?」
刀機の頭の中では怪獣を相手にどう戦うか、考えていた。
彼の能力の概要、サックス演奏で『音と音をぶつけて』それを操る能力...最大出力なら衝撃波による攻撃も可能だと言う。
「ではルーファス君『音声』を頼む。」
「え...あの!?」
まるで自分を戦力外と爪弾きにする様な物言いに、アングロサクソン系の白い肌が紅潮する。
「あくまで『着ぐるみショー』だと院長さん方が子供達には説明している...君はBGMの演奏、それと音波能力で生々しい雑音を...さも『アトラクションの効果音』の様に誤魔化して欲しい。」
「何故そんな茶番をっ!?」

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