香港国際学園〜第二部〜 57
「喧嘩御免状はあくまで一対一の個人戦の為にあって、今回のような団体戦では通用できないみたい。」
「じゃあ、改めてその五人に、え〜と限定喧嘩御免状が発行される訳か。」
「しかも対抗戦までの練習試合も私闘扱いになるから、単位修得がかなり早くできるみたいだし。」
「じゃあ、クラス内でも五人の枠を巡る競争がある訳。」
「希望者が六人以上いれば、そうなるかもね。」
四人はそんな会話をしていた。
…その頃校長公邸では…
「止まれ!誰かっ?ぐぇ!」
「許可のない生徒は…のわ?」
警備員の制止を振り切りずかずかと前進する少女。
「死にたくなければそこをどけい!」
刀機真奈美だった。…奴はどこだ…近くにいるはず…。
「おだやかじゃねぇな…」
咥え煙草の警備員、刹那が立ちふさがった。
「仕事熱心も程々にせんと、怪我をするぞ…」
「おこっちゃやーよ!刀機ちゃん?」
最強の用務員、やなくもそこにいた。
「黙れ道化!」
「まぁまぁ、ボクたち尋ね人は一緒みたいよん?」
「ならばなおさら…」
「エスコートしますぜ、お嬢さん?」
勝手にしろ、と結局三人で校長室に向かう。
「入るぞ!」
ばかん!ノックも無しに荒々しくドアを開ける刀機…。
「・・・」
…ぱたん…。
「ここにも居ない…奴はどこだ!」
…ねぇ?ちょっと?校長室で何が起きてたのとか、みんな気になるでしょ?…ばきっごすっ!…
「本当、文字通り掴みどこないよね〜」
げしげしっ!ぼぐしゃあっ!
「しゃーねー次行こうぜ?」
…助けて下さい!誰か助けて下さい!…だれかぁ〜…