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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 559

…男宿…か…
ワザとらしく『怪獣は月見草館を狙っている』という旨を強調する『漢』二匹の姿に、必死で苦笑を隠すひかるの目頭にうっすらと涙が滲む。

重合金の長剣、菊一文字、金属バットと…と得意のエモノを片手に走り出す牝獣ズ。
「えったちゃん…私にも一本貰える?」
何も言わず…缶入り煙草をひかる姫に一本差し出すえった…。
「ラリモト先輩は…純トロ派でしたっけ?」
えったの軽口に対し、ヘッ…と吐き捨てるように笑うなり…断りもなく缶から一本頂き勝手に一服つけるラリモト兄。
「妹が…シンナー止めるってよ…!?」
一服深く吸い込むと、ニッと剥き出したボロボロの前歯の隙間から紫煙を吹かして見せるラリモト兄。

ラリモト(本名:成本)…兄はヤクザで妹は娼婦…男宿では珍しくも何ともないアウトローな兄妹である。
「辺里くんよぉ…秘密兵器ってなぁナンボのモンで?」
ラリモトはとうにその真意なぞ見透かしたかの様に…聞くだけ聞いてみる。
「昔…子供番組でやってたでしょう『愛と勇気だけが友達さ』って?」
くわえ煙草をプラプラと宣うえったに、ウンザリ顔のひかる姫。
「『チャカとヤッパだけが友達さ』みたいな娘がよく言うよ。」
ひかるえったの遣り取りに、ラリモト兄は腹を抱えて爆笑しながら二人の煙草にも点けてやる。
そして…静まりかえった男宿寮内に残った三人は、どギツい缶入り煙草を深く肺に…。
「げへげへ!?」
「ごほぶは!?」
約二名、涙ボロボロ流しながら激しくむせるひかるえった。
あぁもぅ…ハードボイルドな展開が台無しだよと二人の背中をさするラリモト兄。
「ラリモト先輩は…おぇ…負傷者の手当てを…。」
「馬鹿野郎っ!俺が足手まといってかぁ!?痩せても枯れても男宿の…」
鬼の形相でえったを睨むラリモトに、とても済まなそうな表情で拳を組み…お願い!!…ポーズをとるひかる姫。
「チッ!?」

ラリモト兄が渋々納得した頃…
いまだ衰えぬ男魂を持った男宿の猛者達が、最終防衛線に集結していた。
「野郎共っ!…漢見せる時だぜっ!!」
筋骨隆々上半身裸のター○ネーター、ビックなアフロことビックジョーが漢達に呼び掛ける。
呼び掛けられた漢達もかの三百人映画の如く上半身裸の屈強な漢…ジョーの元に集うだけあって、アフロ、ドレッド、モヒカン、スキン…はたまたパンチにリーゼントにアイパー(某先輩)…と髪型に拘りを持つ面々であった。

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