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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 553

『しかし、このままだと負けるぞ、俺なら逆転出来るがな』
『黙っていろ! この程度ならどうとでもなる』


 そして現在、呂布への意地で立っている状況になったのだ、しかし、肉体的ダメージは大きいためやはりふらついている。
 美幸を除き全員が満身創痍、一撃を先にくらわせた方が勝つだろう。
「紫怨『保険』はかけてあるから…無理しないで!?」
ドゥ*ガ#グの召喚契約は少々コゲつくかも…ゾンビ軍団は『生きモノ』相手に暴れさせてやる事自体が報酬な奴らなので問題ない。
ケルベロスに代価として支払う時給『三つの頭各々に蜂蜜ケーキ1ホール』は痛い所だ。
妖精界の騎士クー・フー・リンをおだててゲイボルグの力だけ借り受ける事は出来たが…頭を下げるのが嫌いな白月にとってはもっと痛かった…。
そんな中やりくり出来た『保険』は低レベル妖精…術者としての見せ所だ。
各々の思惑と闘気が錯綜し、空気が痛いほど張り詰めた。

『さぁさぁ!疲労困憊、満身創痍の彼たち!そして一人、無傷の彼女ぉ!もうお互い限界だろうけど…時間も限界だぁ!これが最終決戦になるであろう!』
『ここはどちらがどの様に動くかで決着が着きますわね…』


睨み合う、玄人、紫怨、晶そして美幸。
玄人が足を動かせば紫怨が反応し、紫怨が肩に力を入れると晶が警戒する。
そして…
「…うおぉぉっ!」
「…はぁっ!」
紫怨と玄人が同時に動き、最後の力を振り絞り、突撃した。
二陣の黒い風がぶつかり合う。
「ぐぅぉ……」
「うっ……」

『大阿門、黒禍両選手、ダウン!お互いに急所へ武器を叩き付けたぁ!』

未だ動く気配のない晶と美幸。
晶は訪れるであろう絶好の機会を待っていた。
その時がきた。
ほんの一瞬、美幸が瞬きしたのと同時に、晶は傘を刺突の構えで走り寄る。美幸との距離がどんどん縮んでいく。
そして残り三メートル程。
一息で駆け抜けれる距離だ。
(…もらった!)
傘を思いっきり突き出す。
その時…美幸の口が微笑を浮かべた。
必中を意識した晶の眼前…木の葉の衣を纏った妖精の姿…アブないクスリでしかお目にかかれないそいつは、彼の瞼に砂を撒く。
『眠れ』
眠りを司る妖精サンドマン(ザントマンと呼ぶ説もあり)。
十全の状態、いや幾らか精神エネルギーの残った状態ならば抵抗も出来たであろう。
白月美幸の術者としての読み…低レベル妖精の魔力でも玄人と晶が精神エネルギーを使い果たした状態なら、と。
予想外の精神攻撃に晶は成す術もなく崩れ落ちた。

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