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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 546

チャンバラ用のプログラムでも組まれているかの様に、紫怨の半身構えの後ろ足が意思に反して勝手に捻られ…視界のせばまった角度から繰り出されたニ刀の刺突を紙一重に回避する…いや、させられた。
『余計な事をするな呂布っ!どうと言う事はないっ!!』
彼は時折こうして『余計な事をする』のだ。
紫怨は自身に憑衣した呂布の『助太刀』に歯噛みしながらも、そのお陰玄人のガラ空きの背中に左の大斧を叩き込むが、柔軟体操が如く背に回されたニ刀に軽く捌かれた。

紫怨自身の体術
筋肉強化能力
憑衣した呂布の怪力と武芸の知識
単純計算で並のパワーファイター三倍以上の馬力…だけなら良いのだが。
『いい加減この躯…オレに寄越さんか?』
嗚呼コレだ、常に軽口を叩きながら肉体と魂の無条件降伏を求めて来るのだ。
『黙れっ落ち武者まがいの亡霊がっ!そんなに戦がしたいのなら!閻魔でも菩薩でも口説けば良いだろうっ!!』
『生憎…地獄も天国も門前払いさ…お前もそうなっちゃうかもよォ?』
『それは有難い!貴様のその軽口!二度と叩けぬまで張り倒してやるから覚悟しておけ!!』

黒禍紫怨、三点リードの王子様も…心の中では良く喋る。
兎に角ハラを割って
本当に良く喋る
彼とだけは
まるで古くからの悪友の様に
この寡黙な少年は…。
「…。」
…現実…
黒禍は目の前のこの傾寄者にして一流の武芸者相手にはもはや語るまいと、この大阿門D玄人と対峙…間合いをはかっていた。
…一方もう一人の三点リードの使い手、神凪 晶の方は紫怨達とはうって変わって全く動かずに相手の様子を見ていた。
 白月の戦術は単純だが、それ故に隙が少なかった。
 耐久力のあるゾンビを全て防御に使い、大物を呼ぶ時間を稼ぐ、ゾンビ達は少しの損傷では止められずバラバラにされても腕だけや足だけで襲って来る程しぶとい。
 攻める事が難しく、更には時間がたてば大物が来る、確実な策だった。

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