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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 545

「デルリン…」
「なんだね?」
玄人と晶は背中を合わせて戦う。
「…チビとゾンビは僕がやる」
「YES!ならば我輩はでかいのを倒そう!」
玄人は紫怨へと向って行く。

「でかいの!我輩が相手である!」
「………」
紫怨は無言で斬りかかる。
その動きは身体に似合わず俊敏で、無駄が無い。
玄人は難なく受け止め、押し返す。しばらく単調な戦いが続いた。
「…その剣…」
紫怨は攻撃の手を休めると、玄人の腰に納められたままの二本の剣に目をやり、言った。
「ならば、おたがい本気を出そうではないか」
玄人はニヤリと笑い、言う。
「…承知した…」
紫怨の纏う雰囲気が変わった。
「…憑依かね?」
「……呂布…」
「そうか…では、推して参る!」
そう言うと、玄人は手に持っていた剣を紫怨へ向って投げた。
「……!…」
紫怨は弾くと玄人との距離を詰めた。玄人は両手に腰の剣を一本づつ握り構えた。
「……ふっ!」
「はぁっ!」
紫怨の大斧と玄人の剣とが交差する。そして始まった二人の戦いは剣舞のようである。
玄人は地面に刺さっていた背中の剣の柄を右手の剣で弾き、宙に飛ばす。
そして何事も無かったように、戦いを続けた。
お互いに一歩も退かず、戦う二人。
その時…
ヒュンッ!
先程、玄人が打ち上げた剣が紫怨めがけて降ってきた。
間一髪でかわした紫怨。
「ほうっ…よくかわしたな」
「……呂布の記憶にあった…」
「なるほど、確かにこれは大陸の剣術の一つだ。上空の剣に気を捕われすぎると前から剣が、しかし無視する訳にもいかない。武験流と我輩は名付けた。その剣…」
玄人は地に刺さった背中の剣を指差す。
「名を『蛇神剣』という」
「……玄武…」
「そう、この剣は玄武に例えているのだ。玄武の真の恐怖は白蛇にある。我輩の武験流、なかなかのものであるよ?」
そう言い、また戦いが始まった。
…黒禍紫怨の『内部』でも戦いが行われていた…
『ハァ〜ッハッハァ!少年っ!その調子その調子ぃ!!』
呂布の思念である。
とても亡霊や悪霊の類とは思えぬ明朗ぶり…。
先ほど白月の『呂布を呼んで』の一言はこういう意味か。
紫怨自身の体術と怪力…そして更に超常能力による強化…。
そこへ目を付けたのが呂布の霊…厳密にはこの世にバラ撒かれた呂布の残留思念の一部であった。
『ほれほれ!あんよは上手っと!?』
世界中の猛者に乗り移っては死してなお戦に馳せ参じ…気に入った躯を見付けては乗っとろうというのだ。

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