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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 539

「やはりカトリックですよね!道教や神道のような民族宗教ならまだしもイスラームや仏教はダメです。同じ基督教でも新教はいけませんよ」
ハーヴェイは断言する。
(いやいや、ハーヴェイ君…宗教の自由って知ってる?それにお嬢様もいつからカトリックになったんですか?)
心の中ではツッコミをいれても口には絶対出さない常識人ルーファス。
(ハーヴェイ君も良い人なんだけど宗教の事になるとなあ……)
 ハーヴェイ、熱心なカトリックで温厚な人柄で知られる人間だが、よくF組メンバーを勧誘したり、何時の間にか教室の内装を教会風するなどかなり行き過ぎた面もある。
しまいにはてくてく歩き周りながら一人宗教論争を始めるハーヴェイ君…高校生にして神父の資格ん持っているとかいないとか?
「…特にプロテスタントは…」
彼の温厚そのものだった表情が翳り…シィイイッ!…と殺意の篭った唸りを上げちゃう辺りもルーファスは見逃さなかったが、瞬きする間で元に戻っていたので見なかった事にした。
(…きっと良いプロテスタントは死んだプロテスタントだけ…なんだろうなぁ…)
クドいようだが、変人密度高めのクラスにおいてルーファスの様な『普通に暮らしたい』生徒は気苦労が絶えない。
ルーファスとしては真面目な話…最近お嬢様が私闘スタジアムに興味を示し始めている事が不安なのだ。
…私闘スタジアム…
『死人の出ないゲーム感覚の超リアルな学園バトル』
『自分の特殊能力を思う存分振るってみたい』
『誰もがアニメ主人公の様な活躍のチャンス』
彼がふと思い付いた限りだけでも、お嬢様の喜びそうなフレーズがバリューセットなのだ。
花鈴にしてみれば、ここ最近の私闘スタジアムに見え隠れする裏側なぞ欠片も気に留めていないだろう。
いや寧ろ裏があるとかキナ臭いとか…敢えて首を突っ込みたがる娘なのだ。
「……つまりは新教徒とは…」
「ハ、ハーヴェイ君!」
未だ収束をみせないハーヴェイの一人宗教論争にルーファスは歯止めをかけた。
「…なんですか?」
「えっと…もうすぐ昼だし…HRもあるし僕等はここらへんで…」
「むぅ…ルーファス!これから面白くなるとこだったのに…」
(お嬢様、今の楽しんでたんだ…)
「いや…でもほらっ…お嬢様、昼食はスペシャルランチが良いって言ってたじゃないですか。早く行って並びましょう!」
「…うむ、そうだな!」
お嬢様を学園の闇から守る事を胸に誓い、教会を後にした。

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