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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 529

程なくして部屋に響く木製のドアを叩く音と共に先程電話で聞いた低い声がする。
「ウェイン=バーネット入ります。」
「鍵は開いておる、入るがよい」
その言葉を聞き届けたと同時にドアが開かれる。
「失礼します。聖光大母様。報告に参りました」
そこに立つ男は全身を漆黒で統一したスーツを身に纏い、これと同じく漆黒の片目鏡がその男の真面目さを強調していた。
いまさっきの行為による衣服の乱れを直し、ベッドに座り直すアルマ。しかしその足は所存なくぷらぷらと動いてどう見ても12〜3の少女にしか見えない。
「よいのだかな…よいのだかな…この部屋にいる時はアルマって呼べって…言っておるのに…」
ぶー、とフグのように思いっ切りふくれるアルマ。しかし本人には怒っているような仕草でもはたから見ればどうしても年相応の可愛いむくれっ面にしか見えない。
依然う゛〜、とふくれ続けるアルマに見かねて軽い溜め息をつきながらウェインは閉じていた口を開く。
「ハァ…分かりました、アルマ様。それでは報告に移ってもよろしいですか?」
アルマ様、と言うウェインの言葉を聞いた瞬間にふくれた頬はどこへやら、文字通りあっと言う間に満面の笑顔に包まれる。

「うむ、良いぞ。」
「では…まず、不死王ヴィンセントが香港に来ました。」
「ほぅ…奴は封印されてたと聞いてるがな」
「はい…未だ完全に解けていないようで普通科F組に入りました。」
「そうか…まぁ、F組にはハーヴェイ達がおる。しばらくは保留じゃな。」
「了解しました。次に昼間の特別科生徒の脱走の件ですが、ヴィンセントともう一人、クラス浪人の生徒が取り押さえたとのことです」
「特別科の者を封印された吸血鬼と浪人だけでとな?」
「それが…その」
「ウェイン…口ごもるとはお前らしくもない。何じゃ?」
「はい…そのクラス浪人の名は…大阿門…玄人です。」
「大阿門……デルカイザーかっ!?」
アルマは驚嘆の表情を浮かべる。
「はい…学園のホストコンピューターで確認したところ、確かに今年度、一年生として入学しています。」
「いままで気付かなかったとは…迂闊じゃな」
「はい、申し訳ありません。」
「良い良い…お前のせいではないぞ?…それにしてもデルカイザーとはな…」

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