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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 522

少なくとも刹那が…ノーネクタイにガラシャツのこの男が服装規則やアクセサリーを咎めている訳ではない、腕の刃を指先まで縮めピアスのひとつを割る。
両断されたそこには、コンパクトにまとめられた電子部品。
「盗聴機…作りからして特別科のオモチャだな?」
怒りに燃えていた貌が一瞬蒼白い翳りを見せた…利き手はそろそろと右腰のホルスターに伸びる。
「特別科のガキ共に小遣いでも握らされたか…小便臭いオマタでも開かれたか?」
淡々と問う刹那…不肖の部下はこの部屋にカメラがない事を知っている。
クイックドロウ技術とAランク加速能力の組み合わせで劣化ミスリル徹甲弾仕様の自動拳銃コルト.38スーパーから、抜き打ち一秒以内に全弾急所に叩き込む自信が彼にはあった。
こんな時マカロニ西部劇ではガンマンが剣豪やナイフ投げの名人に敗れるシーンだな...と苦笑しながらも。
「先に抜いて良いんだぜ?お前の得意な奴?」
刹那は壁に架けたホルスターに収まったままのオートマグを示し『ガンの勝負』を強調しながら机に両足を投げ出す。
「...!!」
今や電光石火の抜き撃ち...しかし部下の右手に拳銃はない。
「わりぃ...ウソだ。」

その不肖の部下は驚愕した。
『俺はこの男とジャンケンでもしていたのか?』
いや人差し指から小指までもが失われたそれはグーでも、最早チョキでもパーでもない。
銃はホルスターに収まったまま...グリップに絡み付いた四指がボトボトと床に落ちる。
「やれやれ...007ばりのスパイごっこだな...。」
ごちる刹那の蹴り上げられた右脚は蠍の尾が如き刃と化していた。
血みどろで泣き叫び蹲るスパイを駆け付けた部下達に拘束させ、ついでに代わりの灰皿を持って来るよう命じた...。

麗緒を監視させる事も盗聴されたようだが、刹那はあまり心配してなかった。
麗緒の能力…周囲の景色と一体化し、自分の姿を消してしまう能力…カメレオンそのもののような能力である。
それどころか…匂いや体温、気流の乱れや気配すら消してしまう為、実質能力発動中の彼女を捉える事は不可能と言っていい。
但し欠点もあり…服は消せない(つまり全裸じゃなきゃ能力使えない)事や、歩行移動等のごく簡単な事以上は能力発動中はできないと言う…正しく偵察任務のみに特化した能力であった。

(1-B嬉舞羅鷹獅...通称ヨージ兄ィも似た様な能力だがこちらはE3ランクで一秒と続かない)
幻覚迷彩、光学迷彩と呼ばれるモノも学園内商店街で福沢さん数枚〜数十枚も出せば購入出来るが...前者は軽い意思抵抗、後者は砂埃や水滴のトリック程度で簡単に露見する能力者Eランク以下の手品である。
その基準で考えればかなり高ランクな隠密性を持つ能力者…亀田麗緒…正にカメレオン・ワンマンアーミーであった。

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