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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 520

『朧…聞こえるか…』
『無論だ…主よ…』
鬼の一族…服部家に仕える存在らしいが詳しい事は刹那も知らない。
『大阿門玄人をどう見る…』
『危険であるが…危難では無い…主よ、『カメレオン』を遣わすのが相当と見るが…』
ケッと吐き捨てながら刹那は、煙草を山盛りになりつつある灰皿に押しつける。
『奴は匂いが気に食わねえ…かつての香港のエリート面した連中と同じ匂いがしやがる!』
更生したヤンキー…刹那が昔の面影を垣間見せる。

『主よ…主自身に流れる血も『貴種』…言わばエリートの血であるが…その気持ちは解らぬでもない…』
朧自身、長年その血に反撥し続けていた刹那を知るから解るのだろう…感情すら感じさせぬ念話にも、主への気遣いが見え隠れする。
『大阿門玄人が『カメレオン』の眼を潜り抜けたなら…我が消そう…それで問題無かろう、主よ…』
朧なら、刹那が望めば神相手でも喧嘩を売れるが…覚悟しなくてはならないのは刹那自身である。

刹那は受話器を取ると、鋭い視線のまま話し出す。
「…あーっ、俺だ…カメレオンを特Aレベル監視に回してくれ」
「えっ!?、やだなーっ…俺、あの人苦手なんスよ…」
露骨に嫌がる部下に刹那は血管をヒクつかせながら言い返す。
「命令だ、め・い・れ・い…それともジャ○ニカ学習帳一冊分始末書書きてえか!」
「勘弁して下さいよぉ…わかりました行ってきます!」
重い腰の部下に刹那は投げるように受話器を置いたのだ。


…警備員控え室
その一室を刹那に言われて部下の警備員が叩く。
すると鼻にかかった甘い声と共にドアが開く。
20代後半、お水の姉ちゃんのような容姿…見事なダイナマイトボディを、健全な青少年が目のやり場に困る服に身を包んでいる。
「亀田の姐さん…仕事です」
彼も多少目のやり場に困るが、彼女…カメレオンこと亀田麗緒はまるで誇示するように妖艶な笑みを見せる。
亀田麗緒…取って付けたような名前の隠密能力者…
カメレオンはその異名である。

「はぁ〜いぃセッちゃぁん?ご無沙汰ぁ〜!?」
と『ぶぷっぴどぅ』な感じで唇を突き出す、神出鬼没変幻自在のカメレオン・ワンマンアーミー...いや女性にワンマンアーミーは失礼だがEランクで常人一個小隊に匹敵とするならば...。
「セッちゃんは止せよ姐さん、部下が見ている。」
「嫌なら『鵺』にぃ頼めばぁ?」
ホステスというよりもスナックのママに近い...同級生に似たようなポジションで『鵺』こと変身能力者の『嬉舞羅ぬえ』が存在する。
あちらはフリーランスで一族との縁はない...実力も(信用度も)段違いだ。

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