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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 519

「俺達が中一の時、まだ特別科とかがなかったじゃないっスか。その時、同じクラスでいたんスよ。アイツは強かったな」
「ええ、能力がってゆうより全体的にね。変な格闘術やら古武術やらを使っててね」
拓海と聖子は懐しそうに話した。
「いっつも、意味分んない事言っててな」
「そうそう、まだ春なのにいきなり『花火でもやろうではないか』とか言ってね」
「まぁ一言で言うと奇人変人だな、あれは」
「そうか…そんな子がいるのか」
モーズレイは苦笑いでうなずいた。


その頃、その奇人変人は…
「さて、花火でもやろうではないか」
ひかるがまだ五月上旬...と言おうとするや、早速えったと晶がロケット花火を水平射撃の姿勢(目標みこと)に設置して『他の人に当たったらどうするのっ!?』とレイナに怒られていた...ってどこの悪ガキだよコイツらぁ。
『あぁこの面子だとレイナさんが晶くんママで、えったちゃん的にはヨソのママにも頭が上がらないんだ...
ていうかレイナさん『他の人に』ってウチの師匠はアリなんだ、わかる気はするけど
あれ?栗原さんマッチとバケツとゴミ袋用意してる...
ていうか私だけ?花火すること自体に疑問感じてるの?』
軽く悩むひかる姫。
この奇人変人に馴染みつつある集団を誰か止めてくれ、ホラえ〜と警備の人とか…あぁ無理でしたね、あくまで監視報告が任務だし。
「YES!そういう訳だからっ!!」
「何がっ!?どういう訳っ!?」
ひかる姫と玄人の奇妙な問答をそっちのけ、倶俐伽羅みことと線香花火の風流をたしなむ栗原華奈美。
てゆうか華奈美が絡むと時々、挙動不審なみこと…1-B戦前日あたり真奈美と華奈美を人違いして以来か。
今日も何処となしそんな感じ、遠目にはまるで複雑な関係の親子(若かりし日の過ち仕様)であった。
勿論、警備部での監視は監視員だけでなく監視カメラまで導入しての監視で、このアホらしい花火大会も刹那は煙草を咥えながら横目で見ている訳である。
とは言え、香港における監視対象生徒はかなりの数がいるのだが…監視レベルの低い連中と違い刹那の気を引くに充分な匂いを放ってるだけに目を離せない訳だ。
「…監視レベル特Aに引き上げ…監視員は全員撤退…」
最高レベルへの引き上げが何故撤退なのか…刹那はある人物の名前を『思い出し』ながら命令を出す。

朧…その人物は、刹那とは長年コンビを組む腹心的存在。
彼が知る数少ない『化物』の一人である。
彼の能力はSランク『ステルス』…存在すら消し去る隠密能力は、女帝主姫すら近付くまでは認識不能なのである。
長年コンビを組んでる筈の刹那すら意識してなければ忘れてしまう程まで存在を消せるし、容貌、性別、年齢…全て刹那すら知らない。
ただ念話のみで接する存在で…普段は特別科の監視に使っている刹那の切り札的な存在である。

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