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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 517

「大化、あんたまだ普通科への編入をあきらめてないの?」
聖子はあきれながら言い捨てる。
「無論だ。俺は普通の学園生活をしたいだけだ。なぜ、こんな所に隔離されなければならん。」
さも当然のように言い返す大化、それを…
「あんたは無理。鯱ならともかく、本当の化け物が普通科にいけるわけないでしょ。」
即答する聖子。同じ特別科でも、鯱と大化では実力に差が開き過ぎている。

「特別科、中でもあんたみたいなSランク以上の能力者が万が一にでも暴走すればここら一帯は簡単に焦土と化すわよ」
 実際はそうなる前に教師陣に止められるだろうが強ち誇大というわけでもない、SやSSランクの能力者はそれだけの危険性を孕んでいるのだ。
「俺は暴走などしない、能力のコントロールは完璧だ」
 心外だと言わんばかりに答える大化。
「知ってるわ。あなたは完璧主義者ですものね。でもね、この馬鹿もそれなりの訓練はしてたのよ。それでも暴走しちゃったんだから」
「分ったよ。だけどな…外には俺達、特別科に対抗できる奴等がいるんだ。俺一人ぐらいは良いと思うんだけどなぁ」
「諦めなさいって…ここでの生活も悪いものじゃないんだから…」
「そうですよ大化君」
「モーズレイ先生いらっしゃったんですか?」
 生徒達だけだった場に何時の間にか一人の長身の男がいた。
「大化君いつも言っていると思いますが、あなた達の能力は非常に危険です、特別科に対抗出来る生徒が普通科に居るとはいっても恐らくAランクの相手が精一杯といったところでしょう、あなたを抑えるような真似は不可能ですよ」
鯱も流石に教員相手には礼を保ち、会釈した後で大化に進言する。
「んじゃ...神樹先輩の弟くんみたいに...封印やら何やらでランク下げて『下界』に降りるか?」
「そ...それは...。」
口ごもる大化...封印とやらがどの程度のモノなのかは不明だが、彼を思い止まらせるには十分な苦行らしい。
神樹先輩の弟...神樹天地、能力ランク差別に一石を投じる生徒...形は違えど大化と近い思想か。
しかし彼までも特別科に籍を置いていたとは...神樹天地の異様なまでの、説明のつかぬ程のアイドル性やカリスマは、隠し切れぬ神々しさであったのか。

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