PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 507
 509
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜 509

そんな臭いがして仕方ないのだ...が、ふと自分らに注がれていた視線に気付く、そりゃもう期待に輝く少女の瞳に。
「ルーファス?チャンバラはまだか?『男達の魂の生き様』はまだか!?」
ツインテールの童顔少女なお嬢様、東雲花鈴はそりゃあもうウズウズしながら二人の遣り取りを見守っていた...火事場見物とか好きなタイプだね。
「お嬢様...確かに二人共それっぽい名前ですが四六時中『バガボ〇ド』な訳ではありません(見てない所では知らないけど)。」
執事ルーファス・ラングレーは困り果てた表情でお嬢様を説得する。
食い下がる花鈴。
「この際『ムサシロ〇ド』でも構わん。」
「微妙なアニメで例えないで下さい。」
武蔵、小次郎共に緊張感ゼロなお嬢様と執事に頬を弛ませた。
「ふふ...苦労するな又八。」
「ホラお嬢様?又八くんも困ってるしぃ今日の所は勘弁してやってよぉ!?」
ムスっとした笑顔の武蔵、チャラッと誤魔化す小次郎...どういう訳かルーファスは二人から『又八』と呼ばれていた。
...又八!?...
しかし変わらない、又八ごときがどう足掻こうともキナ臭い来客は...。
...え?ナレーターさんまで?...

そんな又八(ルーファス)に救いの手か?廊下からぱたぱた足音が響いてきたかと思うと教室の戸口から朗らかな笑顔に八重歯を輝かせる小柄な少女がひょこっと現れた。
「楠さん…その人は?」
凛は黒衣に包まれた蒼白い腕をグイグイ引っ張っているが、彼は中々入って来ない。
「ヴィ〜ン!入って来なってばぁ!!」
それに応えるはギロチンの鈴音が如く、場違いな程に上品な響き。
「済まんが我が主よ…『部屋の主の許可』を得てからでなくては困る…あとカーテンを閉めてくれんか?日光はちょっと。」
何か色々…気になる条件が提示された。
「もうっ、ヴィンたら…ごめんっちょっとカーテン閉めてくれない?…あとヴィン、部屋の主って担任?だったら許可はとっているから」
凜はヴィンセントの条件を次々と解決していく。
「わかったから…離せ、主よ」
渋々といった感じでヴィンセントは入って来る。
クラス内の女子が黄色い声をあげる。
「ダメよ、皆。ヴィンは私のなんだから」
凜はそう言い、ヴィンセントに腕を絡ませる。
「「凜、ずる〜い」」
クラスメイトから歓声があがる。
「ヴィンセント君、その手の紐って何?」
ヴィンセントの右手から教室の外まで伸びている紐に一人の生徒が気付き尋ねた。
「む、これか?これは非常食を繋いでおく紐だ。おい非常食、入ってこい」
ヴィンセントが紐を引っ張ると、首に縄をくくられた一人の女子が入ってきた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す