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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 508

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(リッ〇ー台風)
伝説のプロレスラーリ〇キー台風並の大技がキマり芽衣子たんの怒りが収まった後。
1-Eの三人は喫茶スペースでノートPCを囲んでいた。
首をヒン曲がらせた珠久がブレンドを口に運ぶ。
「ふ〜ん吸血鬼ねぇ…痛?」
口の中を切ったのか顔をしかめる珠久だったが、芽衣子は気にせず説明を続ける。
「潜在値Aランク以上となっていますが…何かしらの封印により大幅パワーダウン、現在使える能力はB〜Cの強化と吸収。」

先ずは先程の『クラス未定生徒』同士の戦いで圧倒的な戦闘力を見せつけた一人、ヴィンセント・ラクレインのデータであった。
「内容としては平凡ですが…それでも普通科生徒としては比較的高ランク、しかも貴重な複合能力者です。」
吸血鬼云々という辺りは三人共自然に流した…人外の生徒なぞ探せば幾らでもいる。
芽衣子はブラックに最初の一口をつけたまま放置プレイで説明を続けた。
「背景は不明ですが…1-F女子、楠凛と盟約を結び使い魔となっている模様です。」
某は英国紳士の真似事の様にアールグレイの香りを味わっていた。

「じゃあ彼の1-F行きは確定じゃない?」
「丁度今、公式発表が出ています。」
野良生徒のクラス確定はすぐさま公にされる。
クラス掛け持ち所属や試合専門の傭兵などの不正を防ぐ為(たとえ気休めでも)である...公式発表にはこうあった。
術者:楠凛
(正規1-F女子)
使い魔:ヴィンセント・ラクレイン
(新規1-F男子)
非常食:如月嶺那
(新規1-F女子)
...楠凛という1-F女生徒が二名のクラス未定生徒を連れてきたという辺りまでは理解出来た。
が、一部不可解な表現に三人顔を見合わせる。
『非常食?』
...1-F...
臨時クラス会議で二名のクラス未定生徒の受け入れは受理されていたが、少々渋い顔を見せる約二名がいた。
1-Fフォワード、最前線要員のツートップである。
「学級会と書類提出…随分簡単に流浪人を受け入れる…。」
むっつりと不機嫌そうに呟く、浅黒い肌の野生味が強い少年。
椅子にアグラをかき、櫓(かい)型木刀…宮本武蔵が使用したとされる型の太く重い木刀を二振り束ねて抱えていた。
着物…いや擦り切れた道着袴を着回している様で、武芸者というより野武士の印象が強い。

お江戸でござると言わんばかりに…その名を黒津武蔵(クロツムサシ)。
「学園側も…管理の行き届かん、野武士や渡世人共が横行するよりマシという話で万事良しとしている…全く甘い話よ?」
窓際にもたれ、透き通った声で少々毒を交えた台詞を吐く美丈夫。
此方は綾錦を織り込んだ羽織袴、そしてその背に佩くは物干し竿が如き太刀。
これまたお江戸でござると言わんばかりに…その名を白地小次郎(シラチコジロウ)。
「…時は戦国…」
「…世は地獄ってか?やれやれキナ臭いねぇ…?」
ライバルにして親友、二人は誰にともなく呟いた。

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