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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 506



その頃話題の玄人は…
「ふぅ…これでよいと」
レイナを布団に寝かし、傷の手当てを終わらせて、二人とも黒い作務衣に着替えていた。
「どうだ、晶ちゃん。茶でも飲むか?」
「それよりこの寺…」
「NO!寺院ではなく神社だ。その名も倶利伽羅神宮」
あの場から離れた後、晶は玄人が行くまま付いて来たのだ。そして着いたのがここ、倶利伽羅神宮だった。
「まぁ、参拝客など週に一人くれば良い方だ。四年前、ここの神主が亡くなり、我輩が後を継いだのだ」
「そう…」
「それで粗茶だが飲むか?」
「ああ、貰おうかな…」
その答えを聞き、玄人は炊事場へ行った。
しばらくして、戻って来た玄人が言った。
「ふむ…もう一人分、茶が必要なようだ」
「…?」
玄人は外へ出て、怒鳴った。
「すぅ…そこに居るのは分っている!出てきたまえ!」
玄人に続き、縁側へと出た晶は一人の警備員を目撃した。
「!…着けてきたのか?」
「NO!我輩達が去った後、追いかけてきたのだ」
近付いてきた警備員は憮然として言った。
「何か用か?」
「そんな邪険にすることもなかろう。どうせ同じ場を共有するのだ。一緒に茶でも飲もうではないか」
「結構だ…警備員服務規定と言うものがあるのでな」
仏頂面で答えた警備員は、そう言うとその場を離れた。


「…そうか…バレたか……監視班を送るから引き上げてこい」
警備員からの報告に詰所に帰った刹那が煙草を咥えながら返した。
「奴は完全に高ランク能力者と見なしていいな…放置する学園も学園だぜ!」
多少苦々しい表情で言う刹那に『取り調べ』と言う名目で同室している刀機が応える。
「私達は実際奴と闘うだろうが…現時点では勝ち目はないだろうな…」

「…ならクラスに取り込むか」
ケッと吐き捨てるように言う刹那に、刀機はふんと鼻を鳴し返す。
「それは無い…奴とはいずれ闘う相手……共闘すらなかろう…それに『警備員殿』と争う気はないぞ」
女性スタッフが煎れてくれた茶を飲みながら答える刀機…
「さっきは脱走ヤローを抑えたじゃねえか?…あれなら勝てんか?」
「難しいな…」
色々考えを廻らしながら刀機は渋い表情で答えた。

「もし、クラスに入ったとしても、奴はみことの駒だ。クラス対抗戦は協力しても、仲間にはならないだろうな」
「だろうな…奴は我が道を行くってタイプの人間だ。そこにみことまで絡んでくるとなるとゾッとするぜ」
「まあ、今は保留だな。では『警備員殿』私は帰るとするよ」
「そうか…取り調べが終わった連中も一緒に連れてってくれ。騒がしくてたまらねぇ」
刹那は眉をひそめ言った。

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