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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 502

しかし…
「ふん、男の血は不味いな…」
ヴィンセントは動じず、気絶した鯱の血を飲んでいた。
「ふむ…では我輩も…」
玄人は鯱の胸に手を当て、何ごとか呟いた。
「むんっ!」
鯱の身体から何かを引き出す格好をし、玄人は自分の胸に手をかざした。
「よし、術式終了!」
「おい、てめぇら!状況、分ってんのか?」
刹那は無視されたことに腹を立て、怒鳴る。
「さて…どうしたものか。吸血鬼様、何か案はありますか?」
ひかる達が来たのはそんなときだった。
避難しようと逃げてきたが方向を間違い事件現場に来てしまった。
「もしかして、あの人が…。」
ひかるが倒れている鯱を見て呟いた。
その時、気絶していたはずの鯱がゆらりと立ち上がり…
「うぅ、があぁあぁあぁぁぁあぁぁあぁ!!!!」
いきなり叫びだす鯱、目の焦点は合ってなく手足が小刻みに震えている。
刹那は一瞬でこの反応の正体がわかった。
…暴走、しかもAランクの…。

「ちっ、まだ息があったか…しつこい事この上無いな」
毒づくヴィンセントに一同が苦笑する中、ヴィンセントはここにいる人間の大半はよく知っている人物の名を虚空に向かって口にした。
「おい!倶利枷羅!どうせどこかで聞耳を立てているんだろう!
何の意図があって封印を1個解いたのかは知らんがついでに第四相の印を解け!
お前がこの状況の不利さを分からん筈が無かろう!」
暴走…
『自滅型』と『爆発型』…能力を減退させながら暴走する自滅型ならまだしも、爆発型なら潜在能力以上の能力を一瞬発揮する可能性がある。
Aランクの爆発型暴走は…特別科の教師が束になって押さえなければいけない程であるのだ。
ヴィンセントの答えを待たず、鯱が叫び声を上げて走る。
狙われたのは玄人…
鯱の速さは刹那すら捉えるのがやっとであった。

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