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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 501

「まぁ、今回は特別だ」
「それでは…」
玄人が手をかざすと鯱の身体が宙に浮く。
「な…なんだぁ?」
「引力操作だ。ランクだけが能力ではないぞ?」
「次は俺だ…」
ヴィンセントは鯱に近付き拳を突き出した形で止まる。
「昔…気功術を使うヴァンパイアハンターがいてな。まぁ、勝ったんだがその時に奪った力だ」
ヴィンセントが拳を突き出すたびに鯱の身体に傷を刻んでいく。
「ぐっ…はぁっ…かぁ」
「ふんっ…煩い蠅め」
ヴィンセントは呟く。
「吸血鬼様!」
玄人はヴィンセントの脇に駆け寄り言った。
「だからカス、お前の主ではない」
「まぁまぁ、そう言わずに。実は先程、別の外道に絡まれまして。そいつの能力を我輩の家に伝わる秘術で奪いましてな…」
そう言うと玄人は引力操作能力を停止し、鯱を殴った。
「ぐはぁ…馬鹿な」
「ふん、能力におごり鍛えていない雑魚にはこの拳は痛かろう!」
そう言いながらも玄人は殴り続ける。
「キャンセルの能力か…カスにしてはやるな」
ヴィンセントも加わり、その場はリンチと化した。
「玄人…もう気絶してる」
晶は蚊の鳴くような声で言った。
おっといかん!と手を止める玄人だったが…どげしどげし!とヴィンセントは構う事なく倒れた鯱を更に足蹴する。
その傍ら涙目で楠凛がパクパクとあえいでいた。
「ヴィ〜ン?」
「煩い黙れ死ね虫ケラ、貴様の命を実行している最中ではないか主よ?」
楠凛の『素敵な彼氏が欲しい』という願いの元で主従関係にある二人…百歩譲ってドSなツンデレ君とも解釈出来ない事もないが…ヴィンセントの言動に敬意やカレカノ関係と呼べるモノは存在しなかった。
「止めて。」
「承知した、泣くな。」

その背後にバラバラと走り寄る足音…
警備員の制服に身を包んだ一団が彼らを包囲する。
「ケッ…オシオキする手間は省けたみたいだな…」
指揮する不良警備員、刹那は鋭い視線をヴィンセントと玄人に送る。
「その逃げたヒヨッコは預からせてもらうが…貴様らも拘束させて貰うぜ」
自分達まで…怪訝な表情の玄人が刹那を見る。
「ヒヨッコであれ…特別科の生徒を簡単に倒すような奴…相手の能力を簡単にコピーする奴……野放ししておくに余りにも危険すぎやがる…」

「学園の決まりでな『均衡を大きく崩す能力者はレベル如何問わず特別科に編入する』ってな事になっててな…悪いが拘束させて貰うぜ」
刹那の合図で警備員達が一斉に警棒を構える。
戦闘訓練を積んだ彼らはAランク以上の戦闘能力を有するし、刹那に至っては3A…並の能力者では無い。

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