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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 496

気のせいか救急車のサイレンが聞こえたかもしれない辺りでモニターが回復。
気のせいか、どうやら『気が済んだ』らしい服部優菜がそれこそ爽快そのモノな表情で大きく背伸びをしていた…気のせいか音無兄の居ない放送席で。
『ええ…(ぴ〜っ)カスメガネくんに代わって…あ?いえ失礼しました!コホン…ちょっと具合の悪くなった音無太郎くんに代わって私、服部優菜が発表致します。』
繰り返し気のせいか…血みどろとなった白魚の様な指が投票結果の統計用紙をめくる。
『では発表します!
A組2656票、E組2212票でA組の勝利です!』
優菜の宣言と同時に会場のあちらこちらから歓喜の咆哮や落胆の悲鳴が聞えてきた。
『やはり、前半花丸君が敗れたのが大きかったようです。また…』

1-A控室では優菜の放送は喜びの声に打ち消されていた。
「えったちゃん…やった……やったよ!」
「うん…良かった、ほんとに良かった!」
ひかるとえったは肩を抱き合い感涙に震えていた。

一方、1―Eは…
多少の動揺(お子ちゃま同士の喧嘩)はあるものの、殆どの者が冷静に結果を聞いていた。
「弥勒君…君の想定通りだね…」
星取り表を見ながら余裕の表情で言う珠久…ほぼノーダメージに近く、手の内もさしては見せていない。
負けても痛い星でもない事をクラスに周知させているから、騒ぐ事も無かった。
「はい…想定内ですね、委員長」
優魅は腹の内を見せず冷徹無比な策士の貌で言う。
大筋のシナリオを書いたのは勿論珠久であるから、わざわざ聞く必要も無い。

優魅はそのシナリオに合わせ、キャストや構成を作っただけであるが…お互いクラスの内外で『指揮官と軍師』の立場を演じきっている。
「まあ暴れるだけの体力も残ってるなら結構、結構…」
場外乱闘を繰り広げるお子ちゃまーずを笑顔で見る珠久に、不機嫌な芽衣子が不機嫌の源の一つ…優魅に鋭い視線を送った後、珠久に尋ねる。
「あの暴走…委員長は気付いていたのですか?」

「…芽衣子君、君は痛いところを突くね。まぁ、知らなかったと言ったら嘘だね…」
「…そうですか」
芽衣子はこの先を続けられず、口を閉ざした。


特別科の生徒達は…
「ほらね、やっぱりA組が勝った」
「けっ、観客も見る目がねぇな」
「鯱…見る目がないって、あんたにはあるみたいな言い方ね?」
「んだと、コラ。一回勝ったくらいで調子乗ってんじゃねぇ!」
「うっさいわね〜、あんた一番『格下』なんだから黙ってなさいよ!」

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