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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 495

「しかし不思議な事がある…」
鼻で笑う少女を傍目に見ながら少年…覚えているだろうか、光樹の親友星野聖夜が呟いた。
彼もすっかり特別科に馴染み…エリートの証、白い学生服が良く似合っていた。
「暴走と複数能力者か?…」
隣りの少年が聖夜に問う。
「ああ…不思議だと思わないか?」
そう返すと、この集団のリーダー格らしき少女が口を開いた。
「どちらもあの程度のランクの能力者が見せるような者ではないわね…」

「特別な血筋…か若しくは人為的に作られた能力者…ならば説明がつくがね…」
リーダーの少女の言葉に一人の少年が付け加える。
「何の為かは知らないけど…誰かが『仕組んだ』と見るのが正解じゃない?」
「でもさ…『あの程度』を仕込んで何になるんだろうな」
閉鎖された環境にいる彼らにとっては、こんな他意の無い予測もちょっとした余興にはなる。
覚醒暴走と複数能力者…
特別な血筋の彼らには珍しくないが、それが彼らにとって『犬』レベルに現れた事を全員が不思議に思っていた事は事実である。

「けっ、カスがいくら足掻こうがカスに変わりないぜ!」
長く伸した髪を銀色に染めた男が言う。
「そうでもないわよ、鯱。あの覚醒者や複数能力者、あと最後の色白君はすでにAランク以上…つまりあんた以上かもよ?」
黒縁眼鏡と三つ編みが特徴の少女が銀髪少年に言った。
「あ〜?喧嘩売ってんのか、聖子?」
「『格下』のあんたに言ってもしょうがないでしょ?」
「このクソアマ!」
「暴れんなら外でやりな!」
リーダー格の女が怒鳴る。
「んな、下らないことよりさっきの試合の結果、気になるじゃないか…」
その言葉に視線がまた、テレビへと集まる。
テレビからは実況音無兄の声が流れていた。


『レェディィスアァンドジェェントルマァン!
ようやく先程の1-AVS1-Eの試合結果の投票そして集計が終了しました!
では気になる結果はぁ!…』
『もう言ってもよろしいですか?』
『…いやすみません、服部さん。こうゆうのってタメが大切なんですよ』
『焦らしすぎてイラッときました』
論理的な彼女にとって、なんかもうノリと勢いがライフスタイルのこの少年は嫌悪の対象以外の何者でもないかの様な絶対零度の営業スマイル。
『アハハ…ひかるたんのアンスコ萌え〜とかえったたんの黒ガーターハァハァなんて票も…』
『本気で殴って良いかしら?とりあえず気が済むまで?』
放送席を映していたモニターがブラックアウト
(テメぇコラ?)
間を置いて『暫くそのままでお待ち下さい』の表示
(舐めとんか!このチ〇カスメガネぇ!)
続いて激しい打撃音の連続
(オイオイ…オネンネの時間にゃ早ぇぞゴラァ!?)
そして沈黙。

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