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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 494

…えぇっ?ナニ何?ドSのツンデレ君な訳?…(違います)
嶺那の妄想なぞヴィンセント的にはお構いなしだ。
「安心しろ…ほんの300cc程だ。」
…ずぎゅんっ!ずぎゅんっ!…という衝撃と共に、何かが吸い上げられてゆく甘美な脱力感が嶺那の脳内を支配していた…もう何も考えられない…。
『見て下さい…戦い傷付き!力尽き倒れた相手を介抱するジェントルメェ〜ンっ!?』
沸き上がる放送席でコイツもまた嶺那とは違った形で勘違いしているようだ。

『あの…私には如月さんの精神エネルギーが吸われてるだけにしか見えないんですが?』
伊達眼鏡の数値、確かに一方が上昇、もう片方は低下してゆく。
『イタイの飛んでけ…って奴でしょうか?気障です!でも許されます!ジェントルメェ〜ン!!』
服部優菜の説明をナニひとつ理解してない音無兄…観客席でも女生徒達の歓声に紛れて、男子からも『ジェントルメェ〜ン!』というコールが起こっていた、人類の敵に向けて。
…そして…
『ハァ〜イル…ヴィンセントぉおおお』
…これまた難儀な男に堕ちてしまった不幸少女、如月嶺那…であった。
ゲートから退場するヴィンセント…日陰が心地良く、油汗が退いてゆくのを理解した。
過去、本来持っていた魔人レベルの能力を封じられて以来ずっとこんな調子だ。
「ヴィンセントぉおおお?」
足元で瞳を潤ませ鼻水をすする、小さな『主』楠凛の頭をぽふぽふ叩く。
「大丈夫ぅ?吸血鬼さんにとって太陽は…。」
「フン…あんな図体だけの年老いた星ひとつ…俺にとって大敵どころか弱点の内には入らん…ただとてもとても…大嫌いなだけだ。」
子供でもあやすかのように凛の髪を撫でる。


その頃…
香港国際学園の一角…特別学科棟
高い塀と結界に囲まれたこの施設は、高ランク能力者のみを対象とした校舎。
通常能力者を自動車に例えると、(免許云々を別として)凶器にもなり兼ねない車を道路で走らせる技術を身に着けて始めて扱えたと言える訳である。
彼らのランクとなれば車…それもF1並のポテンシャルであるから、それを扱う為にはかなりの技術や精神力を養わなくてはならない…その為の訓練の為の隔離。
表向きはそうなっている。


その特別科1―A…
因みに特別科のクラス分けはランク別…A、AA、AAA、Sの四つ
AランクがF1ならSランクは戦闘機に等しく…更に隔離された環境にいる。

そんな環境でも、彼らもテレビぐらいは見る。
数人の男女が見ているテレビは私闘スタジアムでの試合、その中の一人の少女が鼻で笑う。
「ほんと…茶番ね…」
彼らとの実力差からすれば死闘すら児戯に等しいレベル…普通科の生徒がどれだけ厳しい習練を積もうと到達できないレベルに彼らはいるのだ。

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