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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 493

そしてその長い銃口から火を噴きながら一直線にヴィンセントに向かって死を内包した弾丸が飛び出す。
古式銃とはいえ銃であることには変わりない。当たれば大ダメージは免れない上に回避動作をとっていないヴィンセントにはそれは余りにも致命的な隙だった。
弾丸は滞り無くヴィンセントの頭部に当たった…………いや、当たった筈だった。
「えっ……有り得ない…」

「つかまえたぞ、アフロ」
 そう言い放つヴィンセントの口元には放たれた弾丸がくわえられている。
『なんとぉ! ヴィンセント選手高速で飛来する弾丸を口で受け止めたぁ!?』
 観客席から驚愕のどよめきと女性客の黄色い歓声が沸き上がる。
適切な最大装薬とライフル銃身で加速されたそれは、現用の大型拳銃弾に匹敵する…正に人外の魔人。
黒色火薬の煤混じりの硝煙までもが退く程の恐怖が嶺那に迫る。
「少し日に当たり過ぎた…そろそろ幕を引かせてもらう。
本来ならこの時間帯、暗幕の引かれた部屋で昼寝しているのでな。」
本来高ランクの吸血鬼とは言え、訳アリで能力の大半を封印された身に昼日中での行動は辛い。

「…終わりだ、アフロ」
ヴィンセントは一瞬で嶺奈の背後に回り込み首筋へと手刀を叩き込む。
「きゃっ…」
小さく悲鳴をあげ、嶺奈は倒れた。

『…主審からの確認が取れましたぁぁ!試合終〜了!
ヴィンセント選手の勝利です。本日、最高の試合を見せてくれましたヴィンセント選手にぃ!拍手を!』
会場が拍手と歓声に包まれる。
「さて...勝負に勝った以上は『お前をいただく』としよう。」
だらしなく腹を出してカエルの様にひっくり返っていた嶺那の傍らに膝まづくヴィンセント、混濁する意識の中で嶺那はその姿を認める…王子様スタイルで自分を覗き込む美麗なる吸血鬼の姿。
...え...なにコクってんのよぅ?...コレって戦いを通じてなんか芽生えちゃうアレ?...ちゅーするのっ!?...公衆の面前で!?...
「...気色悪い寝顔だ...何の夢を見ている?」
ぎゅむ...嶺那の喉にヴィンセントの爪が軽く食い込んだ。

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