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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 492

「そう…だったら私の能力も見せて上げるわ!」
嶺那はヴィンセントとの距離を詰め、肘で顔面を狙う。
ヴィンセントは半歩下がり躱すと、胸部への回し蹴りを放つ。
嶺奈はそれをブリッチの格好で避ける。
ヴィンセントは回し蹴りの形からかかと落としへと型を変え、未だブリッチの嶺奈へと仕掛けようとした。
その時…
パララッ!
銃声が響き渡った。
ヴィンセントは弾をギリギリで躱し、一度距離をとる。
「馬鹿な!」
ヴィンセントは驚嘆の声をあげた。
嶺奈は背を反らしたまま、股の間からマシンガンを撃ったのだ。
「どうよ、私の能力は?」
態勢を立直しながら嶺奈は聞いた。
『両者、能力の応酬だぁ!』
『まずヴィンセント選手の能力…血に記憶された技を使用するものですね…その能力を使い、人外の動きで格闘に持込んだんですね』
『そこに如月選手の能力、トライガンナーが発動し、奇襲を成功させました!』
『トライガンナーとは銃器を使用した戦闘時、肉体能力が格段に上るものです』
『ガンスリンガー能力とは違うんですか?』
『ええ、ガンスリンガー能力は使用する銃器を強化しますが、トライガンナー能力は肉体を強化するのです』
嶺那のワイヤーアクションばりの空中殺法に歓声が上がる。
服部優菜の索敵能力発動で伊達眼鏡に表示された数値が変動する。
『しかも火縄銃に毛が生えた程度のフリントロック…先込め古式銃で「ぱららっ」と秒間三発単位の連射…爆発事故で私物の銃を失い、間に合わせでレンタルした骨董品との事ですが見事に使いこなしています。』
長い銃身と銃尾を活かし、棒高跳びの要領で日輪の輝きを背に受け(アフロを揺すり)ながら再び跳躍する嶺那。

「ちぃいいっ!?」
舌打ちするヴィンセントの反応は異常であった。
無論、嶺那の側は目くらまし効果を狙って太陽を背にした訳だが…直射日光を直視したヴィンセントの反応は明らかに異常であった。
蒼白な表情で、回避行動を取る気配も無く憎々しげに唸っている。
儀杖隊ばりに古式ライフルでのガンスピンを披露する嶺那、それは複雑な装填作業と重いライフルによる重心移動での帯空時間確保を兼ねていた。
尚且つガンスピンの基本…観客にアピールする為、視認出来る速度での演舞であった。
『おおっとぉ新体操の如く華麗な舞い!歴史の教科書でしかお目にかかれない火縄銃みたいなライフルで空を自由に飛びたいのかァアアアア?はいっ!タ〇コプタァアアアア!!』
音無兄の暑苦しいアナウンサーぶりに構う事なく、陶酔したその声高らか口上を垂れる嶺那。
「そして狩人は狩場の元に!有像無像の区別なく!私の銃弾は赦しはしないっ!!」
今や好機、必中の間合いと見るや引き金を絞る魔弾の射手。
フリントロック、撃鉄の燧石が打ち金を叩くや火皿を通して、最大装薬に装填した薬室に点火。

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